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経営トップ 販促発想の着眼点

ビッグデータを活用してものづくりを消費者起点に

アイメイカーズ

ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。

代表取締役社長 髙谷成夫氏
2004年4月オルビス代表取締役社長に就任。その後10年4月ポーラ・オルビスホールディングス取締役(兼務)、12年1月ポーラ取締役、16年5月アイスタイル執行役員を経て、16年7月istyle makers設立準備会社(現アイメイカーズ)代表取締役社長に就任。

1500万人のユーザー 口コミ蓄積は1300万件以上

化粧品口コミサイト「@cosme」を運営するアイスタイル傘下の化粧品メーカー、アイメイカーズは、消費者の口コミなどから得られるビッグデータを生かし、商品開発に取り組んでいる。昨年7月に設立したばかりの新興企業だ。

「@cosme」は、日本最大規模のコスメ・美容の総合サイト。約1500万人のユニークユーザーを抱え、美容に関する口コミやランキング、美容専門家のコラムなどを掲載する。

「@cosme」について、アイメイカーズの髙谷成夫・代表取締役社長は「日本の20代~30代の女性の約3分の2が、毎月何らかの活用をしている計算になります」と話す。特筆すべきは、1300万件以上のユーザーによる口コミを蓄積していることだ。

アイメイカーズはことし3月、第1弾商品「海藻と花と果実の美容液マスク with 琉球美肌」(税抜1200円)を発売した。もともと沖縄でお土産用に販売され、人気のあったフェイスマスク「琉球美肌」をもとに、海藻などの成分を高配合し、プレミアム版として新たに開発したものだ。

販売は、アイスタイルグループの流通網で、北海道から熊本まで全国24店舗ある「@cosme store」や、通販サイト「@cosme shopping」を中心に行っている。

新商品を開発した背景には、「日本全国には優れた美容素材や技術があるものの、消費者には伝わりづらい」という髙谷社長の課題感がある。

アイメイカーズでは発売と同時に、特設サイト「@cosme nippon」を開設。商品の開発ストーリーや、商品の地元沖縄の伝統などを紹介している。「@cosme store」店頭などでは、商品とともに同サイトについてもアピールしている。

特設サイト「@cosme nippon」
アイメイカーズが開発・販売した商品とブランドをより深く知ってもらうため、商品にまつわるコラムを掲載し、ユーザーとのエンゲージメントを深めている。

小冊子で商品の背景にあるストーリーを伝える
第1弾商品「海藻と花と果実の美容液マスク with 琉球美肌」に同梱されている小冊子。商品に配合されている沖縄産の美容成分などを、写真とともに紹介している。

コスメ・美容の総合サイト「@cosme」
口コミ情報、ランキング、美容専門家のコラムなどを掲載するコスメ・美容の総合サイト。ユーザー数は約1500万人でコスメ・美容系総合サイトとしては日本最大規模。

中国の大手越境ECモールを活用
アイスタイルグループがすでに販路を持っている、中国の大手越境ECモール「天猫国際(Tモール・グローバル)」も用いて新商品の販売に注力する。

台湾のリアル店舗で販売へ 中国の越境ECも活用

髙谷社長は、「わが国の化粧品業界の市場規模は、ここ20年ほど2兆円前後で大きな変化はなく、横ばい状態で ...

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