ネスレ各国の現地法人も視線を注ぐネスレ日本の施策にはカギとなる言葉があった。飲料事業本部レギュラーソリュブルコーヒービジネス部の島川基部長に聞く。
あなたの顧客は誰か その顧客の問題は何か
ネスレ日本の、2016年の実質的な売り上げの伸び率は前年比4.1%増だった。先進市場の平均1.7%増や、グループ全体の平均3.2%増を上回る成長を続けている。
成長のけん引役は、コーヒー・ティーマシンの貸し出しと、カートリッジの定期購入を支える「ネスカフェアンバサダー」サービスが象徴的な飲料ビジネスだ。
昨年10月発売のコーヒーマシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタi[アイ]」も好調で、昨年末までに10万台を出荷。バリスタシリーズは09年発売から累計380万台以上を出荷している。
種々の製品やサービスの基点となる「ネスカフェ」ブランドを扱うのが、飲料事業本部の島川基部長だ。
ネスレ日本には、「マーケティング部」と銘打った部署はない。「ネスカフェ」の場合、飲料事業本部を中心に、嗜好品・飲料の製品開発やチャネル施策、コミュニケーション施策や媒体購入などの関連部署と連携、事業全体の責任を負う。文字どおりの「司令塔」だ。
製品ごとにほかの部署と協業する上で、カギとなる言葉がある。「それは、『顧客の問題解決』です。製品開発や、コミュニケーション企画の根底にある言葉」(島川氏)
顧客と言っても、最終消費者だけとはかぎらない。「問題解決を考える際には、最終消費者が求めているものをつかむのはもちろん、製品と消費者の仲介役として間に入る方々のニーズ把握が欠かせません」…