ますます変化のスピードが早くなるマーケティング・プロモーション。各社で活躍する販促キーパーソンたちにアンケートを実施、それぞれの着眼点を探った。2016年のヒット企画の成果や、そこから得られた発見、他社企画に見る次なる施策のヒント、そして、消費者の購買行動を左右する現象まで、さまざまな切り口から、キーパーソンたちの考え方を紹介しよう
カインズ
大澤寛彰氏 販売促進部メディア企画グループマネジャー
店舗とオンラインの協調/アマゾンCMの魅力
Q 2016年、手応えのあった施策を教えてください
A.「秋冬ライフスタイル」企画。9月から実施しました。インテリア、ペット用品を中心に、デザイン別にスタイルを提案するというものです。店舗とオンラインショップが連動することで売り上げが増加し、スタイルの方向性をスタッフ間でも統一できました。
Q ちょっとジェラシーを覚えてしまった他社の企画は
A.米アマゾンの「Amazonプライム」をアピールするテレビCMです。エモーショナルな表現や、コピーやナレーションを使用しないでメッセージを訴求している点がよいと思います。
Q 最近、気になるニュースやできごとは何ですか
A.電通が労働基準法違反容疑で、東京労働局などが立ち入り調査に入ったニュース。ますます効率重視の業務になりそうです。
Q いま注目しているお店や場所について教えてください
A.カルチュア・コンビニエンス・クラブの店舗「T-SITE」。店舗の雰囲気づくりに注目しています。
カンロ
坂東美紀氏 マーケティング部プランニングチーム課長代理
ロングセラーブランドに再注目/運用後の「しぶとさ」
Q 2016年、手応えのあった施策を教えてください
A.「カンロ健康のど飴35周年記念キャンペーン」。10月から、カンロ健康のど飴35周年に絡め、最長35連泊湯治の旅が当たるオープンキャンペーンを実施しました。インパクトある35連泊と35周年、湯治≒健康イメージとともに、ブランドの印象づけを狙った企画です。
35連泊のインパクトは注目を集め、情報番組で取り上げられて応募がアップ、ソーシャルメディアなどでも話題になりました。ロングセラーブランドに再注目してもらうキッカケになるとともに、購入率や週販アップが見られました。
必ずしもマストバイキャンペーンでなくとも、インパクトのある企画内容のキャンペーンならば、店頭露出や売り上げアップにもつながることを再認識しました。
Q ちょっとジェラシーを覚えてしまった他社の企画は
A.キリンの「47都道府県の一番搾り」。ファンには他県に行ったときにコンプリート意欲を感じさせ、地元の人には親しみや愛着を感じさせられます。また地方セールスにとってのインターナルマーケティングという点でも効果がありそうです。企画内容と社内モチベーションアップの連携がある企画は、運用後においても「しぶとさ」があると思います。
Q 最近、気になるニュースやできごとは何ですか
A.米アマゾンの無人コンビニ「Amazon Go」関連の話題。ビジネスモデルに変革が起こりそう。日本の流通にも影響を与えると思います。
Q いま注目しているお店や場所について教えてください
A.「蔦屋家電」の既成概念を壊す展開に注目しています。
コーセー
小林祐樹氏 宣伝部企画PR課企画リーダー
化粧品売り場に「えびせん」が突如出現
Q 2016年、手応えのあった施策を教えてください
A.対象商品を買うと、「ワンダーカール マスカラっぱえびせん」がもらえるキャンペーンを個数限定で実施しました。「かっぱえびせん」やエビの丸まった"カール感"を活用し、商品の独自のセールスポイントを伝える企画です。化粧品売り場にえびせんのビジュアルが突如出現したインパクトがお客さまの興味を喚起しました。またソーシャルメディア上で話題にもなり ...