ますます変化のスピードが早くなるマーケティング・プロモーション。各社で活躍する販促キーパーソンたちにアンケートを実施、それぞれの着眼点を探った。2016年のヒット企画の成果や、そこから得られた発見、他社企画に見る次なる施策のヒント、そして、消費者の購買行動を左右する現象まで、さまざまな切り口から、キーパーソンたちの考え方を紹介しよう。
アサヒビール
鳥沢杏子氏 量販統括部課長
生活にとけこむメニュー提案/「ネオ酒場」に注目
Q 2016年、手応えのあった施策を教えてください
A.10月に実施したハロウィン企画です。「大人が楽しむハロウィンのシーン提案」をすることで、売り上げ増につながりました。ポイントは、むずかしいメニューを提案しなかったこと。ふだんの食卓にあがるようなメニューを提示したことが、需要創造につながったのだと思います。
Q ちょっとジェラシーを覚えてしまった他社の企画は
A.とくにありません。
Q 最近、気になるニュースやできごとは何ですか
A.「働き方改革」です。消費者の時間の使いかたが変わることにより、需要創造につながるか、検討しているところです。
Q いま注目しているお店や場所について教えてください
A.開放感があり、若者や女性層から人気を集めている「ネオ酒場」が気になっています。昔ながらの場所やできごとを、今風にアレンジしている点が参考になりそうです。
味の素ゼネラルフーヅ
三宮智昭氏 家庭用第一部RCグループ統轄マネージャー
ブランドは消費者のためにある/体験デザインに関心
Q 2016年、手応えのあった施策を教えてください
A.「ちょっと贅沢な珈琲店」。10月1日の「国際コーヒーの日」を記念した Coffee & Blue プロモーションです。ソーシャルメディアと店頭を分離させず、同時に実施することができたと考えています。当該期間の出荷数量は前年比で128%となりました。
ソーシャルメディアでのプロモーションは、消費されやすく面白いネタの投下効率が高く、当社の製品のブランディングには活用しづらいという悩みがあったのですが、この企画は、ソーシャルメディア上でのブランディングの形として目指す方向性が確認できたと思います。
Q ちょっとジェラシーを覚えてしまった他社の企画は
A.「ガリガリ君」(赤城乳業)です。「値上げ」タイミングでの企画は …