主要ブランドがシェアの大半を占め、1カ月で100万個売れればヒットと言われているボディソープ市場。そんな中、ライオンが2016年9月に発売した「hadakara(ハダカラ) ボディソープ」は、発売からわずか3カ月で約600万個(出荷ベース)を売り上げ、好調が続いている。
日本初の吸着保湿処方により、洗い流されない保湿成分の配合を実現した「hadakara ボディソープ」。高い技術を駆使した新感覚のボディソープでありながら手ごろな価格帯で販売しており、消費者はもちろん、流通担当者からも好評だ。同商品を担当する藤田佑氏にヒットに至った経緯を聞く。
― 発売3ヵ月で約600万個売れたとのことですが、販売初速の勢いを生み出した施策はありましたか。
藤田佑氏▶ ボディソープはなかなかブランドスイッチが起こりにくいカテゴリーですので、いかにトライアルをしてもらうかを考えました。その一つが「お試しミニパッケージ品60ml」です。品質の良さを実感してもらいたいので、サンプリング用と合わせて130万個用意し、展開しました。購買データを分析した結果、「お試しミニパッケージ品」購入をきっかけにして、55%の方が「hadakara通常品」を買ってくださいました。
発売までに1000人を超える方に使用テストを実施したのですが、本当にポジティブなコメントが多くあり、社内でも自然と「これだけ好意的な感想があるなら、そのままパッケージに入れてみてはどうだろうか」という話になりました。
いまの時代はメーカーが一方的に発信しても消費者にスルーされてしまいますし、最後に口コミを調べて買う人が多いという市場の流れも踏まえてのアイデアです。集まった生活者の声をそのままパッケージに載せることで、売り場でボディソープの購入を検討している方に向け、「このボディソープを使うことでどんな体験ができるか」を具体的に伝えています。
また第二弾として、1月に販売した増量パッケージには、さらに新しいコメントを入れました。一般のお客さまに加えて、販売店のご担当者さまなどにも使用感についてコメントをいただき、流通も巻き込んだ施策にしました。いただいたコメントはすべて社内投票を行って、人気のコメントをパッケージに入れています。
―もともと「hadakara ボディソープ」は、どのようにして誕生したのでしょうか。
藤田氏▶︎ 従来のブランドだけでは競争を続けるのが難しくなり、新しい技術を検討するためにも新商品を作ろうということになりました。当社は120年の歴史の中で培われた皮膚洗浄技術があり、ボディソープには強い思い入れがありました。
「hadakara ボディソープ」の特長は、洗い流されない吸着保湿処方にありますが ...