2016年11月に創立90周年を迎えた豊田自動織機は同年10月から、同社初のテレビCMを全国で放映、さらに名古屋駅で連動した動画広告を出稿した。その背景や効果について、同社企業広報グループの宮崎義久氏と岩本圭史氏、ジェイアール東海エージェンシー交通広告部の川合勲氏が語り合った。

顧客のほか、社内モチベーション向上、就職活動生などの認知向上を図るため、豊田自動織機は昨年10月から、俳優の桐谷健太さんを起用し、初のテレビCMを放映中だ。

東海道新幹線改札前の55インチ×18面の「名古屋エクスプレスビジョン」(写真上)と、名古屋駅中央コンコース計100面の「シリーズ・アド・ビジョン名古屋」(下)を活用。
社名やCMソング スローガンが印象に残る
宮崎義久氏▶ 全国的な認知度向上が、数年来の課題でした。この課題を解決するために、「愛される未来を創ろう」というキャンペーンスローガンで、俳優の桐谷健太さんを起用した当社初のテレビCM「創ろうの歌」篇を全国にて順次放映しています。
このテレビCMは、継続的に放映する予定ですが、どうしても視聴者が限られてしまいます。そこで、より広い層に届けるために、交通広告に着目したんです。
川合勲氏▶ 広告戦略の一環として、交通広告に注目された、と。名古屋駅を選ばれたのは、どんな背景が?
岩本圭史氏▶ 名古屋駅は、東海圏の玄関口であり、人の往来が多いですよね。1月2日に見学したのですが、とにかく人の多さにびっくりしました。
川合氏▶ 名古屋駅は、JRだけで1日約40万人が乗降します。さらに、新幹線や私鉄も乗り入れる複合駅で、百貨店や複合商業施設などが続々とオープンしているため、今後もより多くの方にご利用いただける見込みです。
岩本氏▶ 今回出稿したデジタルサイネージは百貨店の出入口と隣り合い、多くの視線を集めたと思います。
川合氏▶ 年始のタイミングで出稿したのは、どんな背景がありましたか。
宮崎氏▶ 当社社員が地元に帰省・Uターンしたり、愛知県出身の学生が実家に帰ったり。お子さんを迎えに出られる親族の方もいるでしょう。なにより、ビジネスパーソンにとどまらず、多様な方の目に触れる機会が多いと考えました。年始の名古屋駅のデジタルサイネージを選んだのはこれが理由です。
岩本氏▶ 社員から「家族に、この会社で働いているんだよ、と言えた」という声が聞けたときは、やってよかったと思いました。
川合氏▶ とても評判がよいとか。
岩本氏▶ 社内アンケートでは、7割以上の社員が「よかった」と回答してくれています。
宮崎氏▶ 名古屋駅の広告評価がよいのは、ポスターではなく、デジタルサイネージだったことも寄与しているはずです。今回の映像は歌が要なので、「音」でアプローチできるメディアは貴重ですね。
川合氏▶ 通行者の視線を集める上で、「音」は重要な要素です。2016年10月に稼働を始めた「名古屋エクスプレスビジョン」は、55インチ×18面の迫力ある大型マルチビジョンで、しっかり音を出せるため、音で振り向いてもらえる効果もあったのでは。
岩本氏▶ テレビCMで初めて知り、改めて名古屋駅で見つけて歌を聞いてもらう、という相乗効果も見込めました。社外調査でも、社名や歌詞、「愛される未来を創ろう」というスローガンが印象に残っている、という結果が出ています。
川合氏▶ 「シリーズ・アド・ビジョン名古屋」は、コンコースに連続して25面ありますので、歩きながらでも動画を見てもらえます。
岩本氏▶ テレビCMが録画でスキップされる時代、最初から最後まで見てもらえるのは大きいですね。
宮崎氏▶ 今後はどのような使いみちがありますか。
川合氏▶ デジタルサイネージは、時間帯や曜日で内容を変えることができます。たとえば同じターゲットでも行きと帰りの時間帯で広告内容を変えたり、平日の昼は企業広告で、採用時期の学生が多い時間帯は会社説明会の内容を放映したりと、柔軟な対応ができます。
岩本氏▶ 駅周辺イベントの連動など、企画の広がりもあるといいですね。

ジェイアール東海エージェンシー
交通広告部 販売・SPメディアチーム サブリーダー
川合 勲氏

豊田自動織機
広報部 企業広報グループ グループ長
宮崎義久氏

豊田自動織機
広報部
企業広報グループ 主任
岩本圭史氏
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