企業が、消費者と直接の関係を築き、プロモーションをはじめとした活動で成果を出すにはどうすればいいか。40年にわたり、セールス・プロモーションに携わるCDGが開発した、コミュニケーションアプリ「LINE」を活用する販促パッケージ「SPコネクト」を通じ、CDGの大平孝社長と、LINEの田端信太郎上級執行役員が、消費者との継続的な関係構築について語り尽くした。
消費者とのコミュニケーションを「SPコネクト」でもっと手軽に
大平孝氏▶ 世の中のほとんどがデジタル化されました。その波はこの2年~3年で店頭にも届いています。
昔からあるプレミアム・ノベルティ分野でも「LINEスタンプ」プレゼントなど、デジタル・ノベルティが人気です。その理由は、デジタルは従来のノベルティと比べ、「ローコストですむ」「短期間でも対応できる」「ユーザー・リレーションが築ける」といった点にあります。
特に消費者と企業が直接の関係を持つ「ユーザー・リレーション」は、今後ますます大きなカギを握ると考えています。
企業からの一方的なアプローチから、お客さまとの相互のやりとりに移行して継続的にコミュニケーションを取り、「お客さまのニーズ」を深く掘り下げて把握する。そのためには、ユーザー・リレーションが欠かせません。
田端信太郎氏▶ スマートフォンが普及し、消費者と継続的なコミュニケーションを取るために必要なコストが下がりました。それも追い風になるでしょうね。
顧客との関係をマネジメントする戦略(CRM)がこれまで、自動車メーカーや不動産業、航空会社のような客単価の高い業種に限られたのは、いわゆる『個客』 を認識し、マネジメントする費用がそれなりにかかるためです。そのような客単価の高い事業者でなければ、費用対効果が見合いません。
消費者から企業への連絡手段はかつて、電話やハガキなどが主流でしたが、Webの問い合わせフォームや電子メールが登場しました。それでも消費者から企業に何かを伝えるのは負荷が大きく、なかなか「相互のやりとり」になりません。日用品などのメーカーがCRMに乗り出せないのは、これも問題だったからです。
それが、スマートフォンが登場して、「LINE」のようなコミュニケーションアプリが出てきたので、お互いに簡単に、低コストでコミュニケーションを取れるようになりました。
大平氏▶ 田端さんのお話のとおりだと私も思います。従来は、ひとたび関係を持てても、続けてコミュニケーションを取る手段が限られていた。だから私どもCDGでは、「LINE」アプリを活用した「SPコネクト」を開発したのです。
ネスレがすでに採用を決定 LINE Beacon との連携も視野
大平氏▶ すべてが「LINE」上で完結する、キャンペーンのプラットホームです。活用の一例としては、商品に記した個別の二次元コードを「LINE」アプリで読み込むと、トーク画面上でポイント付与から、当落判定まで行えます。
従来のクローズド・キャンペーンは、例えば缶コーヒーに付いたシールを貯めて専用ハガキに貼り、応募するというのが一般的でした。近ごろは、シリアルナンバーをWeb上で入力して蓄積する、という方式も出ていますね。
「SPコネクト」の場合は、消費者の負担を下げ、ストレスを与えません。商品を購入したら「LINE」で読み込むだけですから、キャンペーンの応募率向上にもかなり貢献できると考えています。
田端氏▶ 従来のキャンペーンでは、広告表現の内容はとても気にされるのに、参加するユーザーの体験については、あまり改善されてきませんでした。ハガキで応募したり、応募専用のスマホアプリをダウンロードしたり、というのは、消費者にとってあまり気軽なものではありません。それをいかに簡単にするか、ハードルを下げるか、というのが焦点です。
そういった意味では手前味噌ですが、「LINE」アプリは、いまや販促キャンペーン参加手段として、デファクトスタンダードになりつつあると思います。とある動画募集キャンペーンで動画共有サイトと「LINE」を比べたら、「LINE」経由での応募数が5倍以上に増えたケースがありました。
大平氏▶ ありがとうございます。もう一つのメリットは、冒頭お話しした「ユーザー・リレーションが築ける」こと。キャンペーン参加とともに、実施企業と「LINE」アプリ上で、「友だち登録」をしてもらえる点です。すでに構築済みの会員組織と連携させることもできます。
田端氏▶ すでに「SPコネクト」の採用を決めた企業はありますか?
大平氏▶ ネスレさまの5月の大型店頭キャンペーンで「SPコネクト」を採用いただくことが決まっています。同社はデジタルに先鞭をつけ、自前の会員組織を構築されています。そのデータベースを拡大させるとともに、商品開発や販売の効率化にも生かしたい、そうした狙いをお持ちなのではないかと思います。
田端氏▶ だからこそ、会員数の拡大が要だ、ということでしょうね。
大平氏▶ ええ。なので、今回のキャンペーンは「SPコネクト」に会員組織データベースを連携させ、会員でない方が購入した場合は、一度会員登録を済ませてからキャンペーン参加、という流れになります。ポイント付与で購入を促しつつ、会員増を図ることもできます。
「LINE ビジネスコネクト」との連携にも対応できるので、前述のような会員データベース、顧客や商品のデータベースなどとLINEのメッセージ送受信サーバーをつないで、メッセージごとに送り先を選り分けて送信できます。
田端氏▶ 当社で展開中の「LINE Beacon(ビーコン)」との相性も良さそうです。「LINE Beacon」は、ビーコン(電波発信端末)を店内に設置したり、POPなど告知物に付属させて、来店したりPOPのボタンを押したりしてもらうものなんですが、「LINE」アプリ上で「友だち」になれたり、「LINE ポイント」が貯まったりする。受信者に限定の動画コンテンツを見せることもできます。
大平氏▶ 「SPコネクト」とLINE Beaconを連携させて、「キャンペーンに参加した女性で特定店舗にいつも来店される方」などを選別してメッセージを配信する、といった活用も進めています。
キャンペーンを継続的に実施 消費者をさらに深く理解できる
大平氏▶ 「LINE」の最大の利点は、誰もが使うツールで間口が最大限に広い点。新たな顧客をつくる環境としてもいい。
田端氏▶ 顧客の声に耳を傾けたマーケティングをしていくうえで、できるだけ顧客をあまねくカバーしたほうがいい、というマーケティングにおける当たり前の話をどこまで追求できるか、です。Eコマースは、そのあたりを実現できているんですよね。基本的に購入者の全数とダイレクトな関係を結べますから、分析でも情報の「解像度」が全然違う。
そんな中で「SPコネクト」は、これまでは売上額や販売量くらいしか把握できていなかった実店舗プロモーションで、より実数データに基づいた消費者情報を入手するための環境となる可能性を秘めていると思います。期待したいです。
大平氏▶ たしかに、従来のハガキ応募などのキャンペーンで個人情報を集めることはありましたが、その後の活用は十分ではありませんでした。
販促領域に携わってきた当社だからこそ、「LINE」を活用したLINE Beaconの来店履歴やキャンペーン参加履歴、会員情報を掛け合わせた個別配信に加え、店頭の効果的な見せ方を連動して提案できると自負しております。
田端氏▶ 今後さらに、「企業は消費者にどこまで近づけるか」ということがカギになりそうですね。
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