昨今オムニチャネル戦略の一環として、店舗における販売でもスマートフォンアプリを活用するケースが増えている。しかし、店舗がスマホアプリを販促施策として活用するためには、当然ながらアプリをダウンロードしてもらう必要があり、そのハードルの高さに苦戦しているケースも少なくない。そんななか、販促活用に成功しているファッションアプリがある。『おしゃれが見つかる、欲しいが買える。』をうたい、いまや多くの女性にとって欠かせないアプリとなっている「iQON」だ。同アプリでは、O2O事業として、デジタルと商業施設実店舗をつなぐ連動企画も実施。三井ショッピングパークが運営するららぽーとの横浜店と海老名店とタッグを組み、店舗に送客する取り組みも強化している。「iQON」を運営するVASILYの金山裕樹氏に、スマホアプリがダウンロードされるための極意について聞いた。
「ユーザー体験」を定義する
スマートフォンアプリのユーザー体験(UX)と言うと、アプリのデザインやボタンのアニメーションなど、アプリをダウンロードし、立ち上げた後からをイメージすることが多いかと思います。しかしユーザー体験は、アプリをダウンロードする前、具体的に言うとスマホのアプリストアでの表現(見え方)から、すでに始まっているのです。
ほとんどのアプリはアップルの提供する「AppStore(アップストア)」、グーグルの提供する「GooglePlay(グーグルプレイ)」のアプリページを経由してインストールし、その後スマホのホーム画面からアプリアイコンをタップして起動します。すなわち、その過程でユーザーは必ずアプリストアに掲載された情報に触れることになります。
このアプリストアでの最初の接触からアプリの便益を体験・理解するまでの一連の過程を当社では「ユーザーオンボーディング(ユーザーが定着するか否かのカギ)」として位置づけ、「iQON」ではアプリ運営における最も重要なプロセスとして、日々改善を行ってきました。
訴求すべきは使用のメリット
「ユーザーオンボーディング」では …