リピート率を高める王道的な施策であるポイントカード。昨今はTポイントや楽天ポイントをはじめとして店舗や地域に縛られない「共通ポイント」が普及しつつあり、従来のように自社でポイントカードを発行する店舗は減少傾向にある。
また、ポイントカード自体の役割も変化している。これまでは消費者に対して、次回の来店や購買動機となるインセンティブを与えることに主眼が置かれていたが、現在はCRMとして用いるべく活用しているケースが多い。顧客情報を取得することにより、個々の顧客にとって有益な情報を発信して、より効率的なプロモショーンを実現している。
そうしたポイントカードの活用に関して、実際に企業はどのような施策を行っているのか。業態の異なる3社の取り組みについて聞いた。
全日本空輸(ANA)
リピート率を高める取り組み
ANAのさまざまなサービスに触れていただくことが重要。その点では、出張・旅行における航空券購入に留まらず、日常生活においても利用可能なサービスラインナップの充実を図っている。貯まったマイルを特典航空券で利用できることや航空券・旅行商品購入に使える「ANAスカイコイン」をはじめ、1マイルから商品購入に利用できれば利便性は高まる。そうしたマイル自体の活用促進につながる取り組みに注力している。
ポイントカードの位置付け
お客さまとの重要なコミュニケーション接点を創造するツールだと捉えている。Web予約やWebチェックインの増加に伴い、空港利用における顧客接点は減少しつつある。そのため、ANAマイレージクラブを通じ、さまざまなタッチポイントにおいて「お客さまのニーズを汲み取る」努力をしている。現在は、新たなスマートフォン向け「ANAマイレージクラブ アプリ」など多様なチャネルを通じて、お客さまにとって有意義な情報が提供をできるよう努めている。
継続的に使用してもらう工夫
お客さまのニーズに応えるべ く、カードラインナップの拡充を目指している。たとえば年会費が無料で世界中のVisa加盟店で利用できる「ANA VISAプリペイドカード」、マイルが溜まりやすく …