1000品の新商品を発売しても、翌年には3品しか残らないことから、“千三つ”といわれるほど厳しい生存競争が繰り広げられている飲料業界。そんな中、サントリー食品インターナショナルが2015年4月に発売した「サントリー ヨーグリーナ&南アルプスの天然水」は、2016年3月にフレーバーウォーター市場過去最速※で1000万ケース(2億4000万本)の出荷を達成し、好調が続いている。
※サントリー食品インターナショナル調べ

透明なのにヨーグルト味」という、前例のないフレーバーウォーターとして登場した「ヨーグリーナ&南アルプスの天然水」。一度飲んだら忘れない風味は、発売直後から消費者の驚きを呼び、購買意欲をかき立てた。サントリー食品インターナショナルで同商品を担当する板倉由佳氏にヒットに至る経緯を聞く。

サントリー食品インターナショナル 食品事業本部 ブランド開発第一事業部
板倉由佳氏
―「ヨーグリーナ&南アルプスの天然水」は、どのようにして誕生したのでしょうか。
板倉由佳氏▶︎ 開発の背景には、2013年に「南アルプスの天然水スパークリング」、2014年に「朝摘みオレンジ&南アルプスの天然水」という商品を、「南アルプスの天然水」のブランドから発売したことがあります。「朝摘みオレンジ」は発売年に、フレーバーウォーター市場の売り上げの30%を占め、フレーバーウォーター市場の売り上げ全体を前年比118%まで引き上げる要因になりました。「ヨーグリーナ」は、フレーバーウォーターを今後伸びる市場ととらえ、「朝摘みオレンジ」に続く商品という位置づけで開発しました。
「朝摘みオレンジ」のときもそうでしたが、「ヨーグリーナ」の開発で念頭に置いていたのは、多くの方が幼少期の頃から慣れ親しんできた味わいにすることでした。また、水のように …