買い物行動をデータで捉え、個々の消費者理解を深める
国内市場に大幅な成長が期待できないこれからの時代、大半のメーカーにとっては、従来からの売り上げ・シェア競争に加え、優良顧客の獲得競争が大きな課題となっている。そのためにどのようにデータを駆使するべきか。博報堂 博報堂買物研究所の前嶋誠一郎氏が解説する。
デジタル販促 瞬間を捉えて売上増
およそ7000品目にわたる「無印良品」ブランドの商品を展開する良品計画は、先駆けてオムニチャネル戦略を推進してきた。そんな同社はどのようにデータを駆使しているのか。「消費者視点」を強調する同社の戦略について、WEB事業部長を務める川名常海氏に聞いた。
早くからオムニチャネル戦略を掲げ、リアルとネットをシームレスに行き来する生活者の「新しいお買い物体験」を創造する良品計画。
店舗とネットをつなぐスマートフォンアプリ「MUJI passport」を立ち上げるなど、以前からデジタルを介した顧客との関係構築を積極的に推進してきた。社内におけるデジタル化を推進してきた川名氏は、データ活用以前に、チャネルに応じた施策の重要性を強調する。
それぞれのチャネルには一長一短があり、店舗には店舗の、ネットにはネットの強みと弱みがある。店舗であれば、営業時間の制約や物理的な移動、欠品などがある一方で、手厚い接客や試着・試食ができるといった魅力がある。
他方、ネットでは、商品に直接触れられないが、いつでもどこでも購入できる利便性がある。川名氏は、「実店舗でもネットでも、企業視点で描く戦略には、さほど意味がありません。実際の購買行動に沿った、お客さまの視点から考えた施策こそ、重要視するべきです」と話す。
例えばECサイトで商品を購入する際に、メールマガジンの配信先登録を …