買い物行動をデータで捉え、個々の消費者理解を深める
国内市場に大幅な成長が期待できないこれからの時代、大半のメーカーにとっては、従来からの売り上げ・シェア競争に加え、優良顧客の獲得競争が大きな課題となっている。そのためにどのようにデータを駆使するべきか。博報堂 博報堂買物研究所の前嶋誠一郎氏が解説する。
デジタル販促 瞬間を捉えて売上増
そもそも販促担当者はどのように数字に向き合うべきか。データの活用以前に、数字自体が敬遠されがちでもあり、結局これまでの経験や勘に頼った販促施策を繰り返してしまうというケースも少なくない。ここではまず、初歩的な分析の手法について解説する。
どのようにして販促施策の結果を評価し、次につなげればいいか、わからないときはありませんか。
例えば、私がアパレルのオンライン販促の担当者だとします。オンラインで洋服を多くの人に売ることがミッションです。そこで、初めてネット広告を用いることにしました。
広告費は50万円です。売りたい商品の平均単価は5000円としましょう。広告の出稿後、社内システムを確認すると、広告を通じて発生した注文が100件ありました。つまり、広告による売り上げは50万円=100件×5000円となります。
50万円の広告を出稿し、50万円の売り上げを得た。「広告を出して売れた! やった!」と …