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訪日客向けプロモーション

成長分野を正しくとらえよう 求められる次の一手

ジャパンショッピングツーリズム協会

ことし1月〜9月累計の訪日外国人客数は1797万8000人。2016年の客数は、2015年通年の1973万人を超える公算が大きい。一方、為替の影響を受け、消費額は2014年並となった。企業は今後、どう舵取りを行うべきか。ジャパンショッピングツーリズム協会の新津研一専務理事に聞く。

訪日客数は順調に伸び続けている。一口に「減速」「低迷」という評価もなされるが、先入観にとらわれず、業種業態によって異なる「減速」のレベルをきちんと見極め、手を打ちたい。

自社事業にとってどうか訪日市場動向の見極め

訪日外国人客市場が「一服した」と言われることがあります。例えば最も支出が多い買物代の1人あたり単価は、2014年の5万3278円から、2015年は7万3662円と伸びました。2016年7月〜9月期は訪日客1人当たりの買い物代は5万3544円。前年同期(7万5535円)に比べ29.1%減少し、14年並となりました。

これだけ見れば、確かに、「減速」と言えなくもありません。ただ、これらの数字は円建てですから、為替を調整すれば上昇傾向にあるという見方もできます(表2)。

当然、購入商品の変化も考えねばなりません。個々の商品で見れば、伸びているものもあり、減っているものもあります。円高になれば、基本的に高額商品は買われなくなります。特に時計などのブランド品は世界中で買われるので、貨幣価値が安い国で買うようになる。日本限定の商品は引き続き売れ続けていると聞いています。

「モノからコト消費に移った」という論調もあるようです。確かに体験価値が重要なのは論をまちません。オケージョン訴求や、接客体験で買い物意欲が高まるのは確かだと思います。

ただ、国内で言われる「モノからコトへ」という文脈と混同しないよう注意が必要ではないでしょうか。

自分たちについて考えてみても、旅行先での買い物と、近所のスーパーマーケットでする買い物が、同じ行動とはとらえづらい。旅行先での買い物は、それそのものが「コト消費」です。もし、買い物自体が減るのだとすれば、消費性向の変化ではなく、先に述べた為替の影響のほうが大きいはずです。

客数も伸び率が下がったと言われます。ではその内訳はどうか。国籍は、あるいは代理購入業者が減ったのか、一般の旅行客が減ったのか。

メディアでは一口に「減速」「低迷」と言われますから、そこで先入観が固まってしまう面はあります。ただし、業種業態によって、「減速」のレベルがどれくらいクリティカルなものか、各社が見極めなければなりません。そこを見誤ってしまうと、すべての判断を損ねるおそれがあります。

表1 訪日外国人の旅行消費額と旅行者数の推移
ことし7月〜9月の訪日外国人旅行者数は626万人で、前年同期(535万人)に比べ17.1%増加した。旅行消費額は9717億円で、前年同期(1兆9億円)から2.9%減少したものの、2013年からの推移では右肩上がりで伸ばしている。
(観光庁)

表2 訪日外国人1人当たり旅行支出(現地通貨ベース)
旅行支出が多い5市場の現地通貨ベースでは、香港を除き前年同期比で増加。旅行支出の減少には、円高の影響が大きいことが伺える。香港の減少は「カメラ・ビデオカメラ・時計」といった高額商品の購入落ち込みが影響しているようだ。
(観光庁)

「お客さま」と捉えているかもう一度見直しを

訪日客市場に踏み出せない、一番の課題は、外国人のお客さまについてのマーケティング情報の欠如だと思います。

相手が日本人であれば、消費者インタビューを行ったり、フィールドワークをしたりと、マーケティング調査を重ねて情報を集めている企業は多いと思います。

訪日客に向き合う場合でも同様に、「ターゲットになる国と客層をセグメントし ...

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