ヘアードライヤー「ナノケア」は、髪にうるおいを与え、うねりを抑える「ナノイー」(帯電微粒子水)により、「乾かすだけでヘアケアができる」と標榜する商品だ。ヘアードライヤーとして1万円を越える高価格帯ながら、圧倒的なシェアを持つ。その背景には、「髪質改善※できる」という付加価値を広く周知させるマーケティングがあった。
※毛髪にうるおい、ツヤを与えることによる。
トリートメントのできる世界初のヘアードライヤーとして、パナソニックが2005年に発売した「ナノケア」。髪を「乾かす」だけではなく、髪の「ケア」ができるとうたうドライヤーで、髪のダメージを気にする現代女性のニーズをつかみ、2016年10月時点で累計販売台数は700万台を突破している。ヘアードライヤー市場でも23カ月連続でシェア1位の座を守る同ブランドについて、話を聞いた。
―ヘアードライヤーでシェアNo.1を維持し続ける販売戦略について教えてください。
小谷香織氏▶︎ 口コミが大きく寄与していると思います。化粧品口コミサイト大手の「@cosme」では、2015年に、利用者の口コミを元に選ばれる「@cosme ベストコスメアワード」で「ナノケア」が殿堂入りを果たしました。同サイトでは、過去にも複数回選出いただいています。
9月1日発売の新モデルでも、「満足度95%」と具体的な数字を示した広告展開で商品をアピールしています。また、商品の写真と使用実感をソーシャルメディアに投稿していただく …
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