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経営トップ 販促発想の着眼点

高付加価値パンで市場開拓 「日本一高いパン」の挑戦

西川隆博(ル・スティル)

ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。

“日本一高いパン”をキャッチフレーズに2003年に東京・渋谷にVIRONを出店。最高の原料と技術で作られたフランスパンは顧客からの支持を集めて、年々売上を伸ばし続け、2005年には丸の内に2号店をオープン。別カテゴリーのパンも他ブランドで展開し、全ブランドをあわせた年商は18億円に達する。広告展開や販促キャンペーンは一切行わず、顧客の口コミだけで成長している。近く、パリに進出する計画だ。

ル・スティル 代表取締役
西川隆博(にしかわ・たかひろ)

1970年兵庫県加古川市生まれ。関西学院大学社会学部卒業後、ニシカワ食品入社。2002年11月、ル・スティル設立。代表取締役就任。2003年6月「VIRON渋谷店」、2005年11月には東京駅のTOKIAに「VIRON丸の内店」をオープンさせ、高級パンブームの火付け役となる。

“日本一高いパン”で東京に進出

渋谷・道玄坂、東急百貨店本店の前にあるベーカリー「VIRON(ヴィロン)」。“日本一高いパン”をキャッチフレーズに、13年前にオープンした。当時、1本230円~250円程度で売られているのが普通だったバゲットを320円で販売。オープン当初は店舗の知名度がないため来店客も少なく売上は芳しくなかったが、パンのおいしさが口コミで広まり、半年ほど経つと月間売上が2000万円を超えるようになった。

その後、千代田区丸の内・東京ビルディング(TOKIA)1階に2号店「Bouiangerie Brasserie VIRON 丸の内店」を2005年11月にオープンさせた。

渋谷店も丸の内店もパリのブーランジェリー(パン屋)を再現することにこだわった。店内の雰囲気だけでなく、対面販売というスタイルもブーランジェリー式だ。店舗にはブラッスリー(レストラン)を併設しているが、こちらも内装や調度品などは、できるだけパリのブラッスリーの雰囲気に近づけている。

経営するのは渋谷に本社を置くル・スティル。同社はVIRONのほか、クリームパンやカレーパンなど、懐かしい総菜・菓子パンを販売する「みんなのぱんや」などの別ブランドの店舗も展開。各ブランドの店舗を合わせた年商は18億円にのぼるという。

渋谷のVIRON
目の前は東急百貨店本店、近くには高級住宅街・松濤というロケーションにある。

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