ジェイアール東日本企画(jeki)はプロモーションの企画設計から制作・実施運営まで一貫して、知見・経験の豊かな社員が細部にまでこだわり抜き、効果の最大化を目指してきた。本連載では、効率化を追求する広告会社が多い一方で、jekiが実現している丁寧で精度の高い「jekiプロモーション品質」を伝えていく。
安定した制作基盤で作品もタイアップも質を上げる
コンテンツビジネスに新風を吹きこめ─ジェイアール東日本企画(jeki)は7月、トムス・エンタテイメント(TMS)、シンエイ動画、アスミック・エース、住友商事らと、深夜帯アニメの共同事業プロジェクト「あにめのめ」を立ち上げた。
一般に、深夜帯テレビアニメを製作する際は、ビデオメーカーなどが幹事会社となり各企業から資金を募る、製作委員会方式が採られる。
しかし組成にはかなりの時間を要するケースもある。ときには、「放送が始まっていても委員会メンバーが確定していない、“見切り発車”となる場合もある」と、TMSの榎本香菜プロジェクトリーダーは話す。
「あにめのめ」はこうしたデメリットを排して設立された。最初から決まった5社で製作委員会の核を成しておけば、迅速にアニメ制作にかかれるというわけだ。
プロジェクトの披露とともに、第一弾作品『甘々と稲妻』全12話を、7月4日から9月26日までオンエアした。深夜1〜2時台の放送ながら、初回の視聴率は2.1%。さらに放送4話めでは同4.0%を記録し、大きな手応えを残した。
10月には第二弾『TRICKSTER -江戸川乱歩『少年探偵団』より-』の放送が始まる。『少年探偵団』シリーズを原案に、舞台は203X年と大胆にアレンジしたオリジナル作品だ。
「ここ2年間、乱歩の作品をスタッフが研究してじっくりと練り上げてきた」とシンエイ動画の廣川浩二プロデューサーは自信を見せる。「『あにめのめ』はシンエイとTMSが主幹事のため、その分、作品性を追求できる。近ごろはファンも目が肥えているので、クリエイターは彼らの期待に応えようとクオリティの向上に腐心している。『あにめのめ』では、そのための時間が少しでも得られるので助かる」(同)
昨今では珍しくなくなった、企業とのプロモーション上のタイアップにも手をかけられるようになった。「あにめのめ」でプロモーション統括を務める、jekiコンテンツビジネス局の鈴木寿広プロデューサーは、「スポンサーの課題をきちんとつかみ、最適な企画を提案するには、いかに早くから動くかが重要」と話す。
『TRICKSTER』では、CD・DVDレンタルのゲオ(名古屋市)とのタイアップが決まっている。ネット動画配信サイトで同作のために制作したスピンオフ2作を流し、ゲオ店鋪先行でレンタルできるようにする。ストーリーの核心を明かすような内容に踏み込むことで、サイトや店鋪利用者の伸長を狙う。
「消費者も自分の好きなアニメを積極的に発信するようになった。作品の世界観と一貫性を持ち、しかも高いクオリティであれば、タイアップ商品も作品も同じように愛していただける。現在はアニメ過渡期の時代。『あにめのめ』から、新しいアニメビジネスの形を世に出していきたい」(jekiの鈴木プロデューサー)
Ⓒ雨隠ギド・講談社/「甘々と稲妻」製作委員会 ⒸJordan森杉/TRICKSTER製作委員会
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