Tポイントデータでターゲットを立体的にとらえる
ダイレクトメールは、そもそも高いターゲティングができ、A/Bテストで最適な表現を探ったり、レスポンスから効果測定をしたりと、歴史あるプロモーション手法の中でも、「データ」を活用したアプローチだった。得られるデータの幅や、分析手法が広がったいま、「データ」が再度、ダイレクトメールを進化させようとしている。
DMとデジタル 活用最適化
カラフル・ボードが開発した人工知能「SENSY」は人の「感性」をトレースできるのが特徴。はるやま商事は購買データから、顧客の「感性」を導き、パーソナライズしたダイレクトメールで成果をあげている。
消費者の購買行動や、「好き」「キライ」といった簡単なアクションで、個々の消費者の「感性」をトレースする
(画像はイメージ、提供:Shutterstock.com)
日々、メディアを賑わす「人工知能(AI)」の文言。未来を象徴するもののひとつだったが、プロモーション分野でも実務への応用が進んできる。ダイレクトメールのような古くからある手法が、新たに蘇えることもあるかもしれない。
スーツ専門店チェーン「P.S.FA」などを運営する、はるやま商事は6月、カラフル・ボード(東京・渋谷)が開発を進めるAI「SENSY」を活用したダイレクトメールを発送した。「P.S.FA」の会員1万2000人を対象に、2014年以降の購入履歴を「SENSY」が学習し、ダイレクトメールに掲載する商品を個々に選定したダイレクトメールだ。
来店数は通常のDMと比べ、メンズは115%、レディスは114%に上昇。さらに客単価も、通常のDMと比較すると、メンズは130%となった。レディスは90%だった。「男性は勧められたものを受け入れやすい傾向、女性のほうが、店頭で自分の好みをしっかりと探るので、差が開いたのではないか」(カラフル・ボードの石井裕氏)
この成果を受け、はるやま商事は年内に …