データで見る、ECサービスの市場概況のいま
ECサービスの市場は、どのように拡大しているのか。実店舗との販売チャネルを統合的に提供する「オムニチャネル化」は、どの業種でどの程度進んでいるのか。ここでは、ECサービスを取り巻く基礎情報として、その実態を紹介する。
ECの分水嶺はクリエイティブにある
2015年の消費者向け(BtoC)Eコマース市場の伸長率は1ケタにとどまった。2011年〜14年は10%〜14%で拡大していただけに、成長に一服感がある。市場拡大のためには、日本全国の中小企業の参入・拡大が必要だ。中小・地方企業のネット利活用支援に取り組む一般社団法人ネッパン協議会に、ここ1年間の手応えを聞いた。
(写真左から)ソウルドアウト荻原猛社長(発起人・代表理事)、
ヤフー福山広樹エリア・オンライン営業本部長(理事)、
オプトホールディング鉢嶺登社長(理事)、
平将明・元内閣府地方創生担当副大臣(名誉理事)
Eコマース市場の拡大傾向に、一服感が出てきた。2015年の前年比は7.6%。2011年〜14年は毎年10%〜14%の伸び率で成長していたが、1ケタ台に収まった。
2015年のBtoCのEコマース市場規模は13兆7746億円。構成比で最も大きいのは、食品をはじめ家電、化粧品や衣類などの「物販系」で、市場規模は同比6.4%増の7兆2398億円だった。旅行予約や飲食サービスなどの「サービス系」は同比9.4%増の4兆9014億円となった。
成長が落ち着いた要因として、経済産業省は「個人消費の低迷」「実店舗への回帰」「個人間(CtoC)ECによる市場の切り崩し」を挙げる。実際、2015年の個人消費額は3年ぶりに180万円を割り、最終消費支出総額も300兆円に届かなかった。「実店舗への回帰」は、意見の分かれるところかもしれない。「CtoC」は …