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経営トップ 販促発想の着眼点

3万円のオーブントースターが販売数10万台を突破、バルミューダの着眼点

バルミューダ

ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。

バルミューダ 代表取締役社長 寺尾玄(てらお・げん)
1973年生まれ。17歳の時、高校を中退。スペイン、イタリア、モロッコなど、地中海沿いを放浪の旅をする。帰国後、音楽活動を開始。大手レーベルとの契約、またその破棄などの経験を経て、バンド活動に専念。2001年、バンド解散後、ものづくりの道を志す。独学と工場への飛び込みにより、設計、製造を習得。2003年、有限会社バルミューダデザイン設立(2011年4月、バルミューダ株式会社へ組織変更)。現バルミューダ代表取締役。

家電を中心に、ものづくりを事業とするバルミューダ。同社が事業展開において大切にしているのは、気持ち良さや心地良さといった「良い体験」を提供すること。独自開発した扇風機やトースターは、通常商品の数倍の値段という高額にもかかわらずヒット商品となっている。バルミューダの家電製品が消費者の心を捉えるのはなぜか。同社代表取締役社長の寺尾玄氏に取材した。

機能や性能ではなく、“良い体験”を売るビジネス

市場のコモディティ化が著しく、価格競争に陥っている家電業界。そんな中で、およそ3万円前後する扇風機やオーブントースターなど、業界の常識ではありえない高額商品を独自開発し、消費者から支持を得ている企業がバルミューダだ。

2010年に販売を開始した扇風機「GreenFanシリーズ」は、これまでに累計で数十万台を売り上げている。また、2015年に市場投入したトースター「BALMUDA TheToaster(バルミューダ ザ・トースター)」も、すでに10万台以上を販売している。

バルミューダ 代表取締役社長の寺尾玄氏は「数字では測れない感覚的なものを売るのがビジネスだと考えています。当社の製品は機能や性能ではなく、心地良さやおいしさといった“良い体験”を売っています」と語る。

寺尾氏が言う“良い体験”とはどういうことなのか。GreenFan シリーズの最新モデル「GreenFan Japan(グリーンファンジャパン)」で言えば、自然界の心地良い風にあたることができるということだ。

普段あまり気にされることはないが、従来の扇風機がつくり出す風は渦を巻いている。しかも送り出される風の面積が小さく、直線的であることから、長い時間、風にあたっていると寒くなり過ぎてしまう。

これに対して、自然界の風は渦を巻かず、空気が大きな面でゆっくりと移動しているために、風に長い時間あたっていても心地良い。バルミューダが開発した扇風機は、羽根を二重構造にすることで、自然界の気持ちの良い風を再現することに成功した。

GreenFan Japan
自然界の心地よい風を独自技術で再現。長い時間あたっていても、不快にならない。GreenFanシリーズは2010年の発売以来、数十万台を販売した。

GreenFan Japanの風
上は従来の扇風機の風。渦を巻き、直線的で、長時間あたっているとからだが冷えてくる。下はGreenFan Japanの風。羽根を二重構造にすることで、自然界の気持ち良い風を再現させた。

顧客は、モノではなく体験を買っている

また、感動のトースターをうたうBALMUDA The Toasterでは、独自に開発したスチーム技術とトースター内の温度制御によって、“最高においしいトースト”を誰でも簡単に焼くことができる。

“最高においしいトースト”を焼くには、まず吸水口から5ccの水を入れる。スチームがトースター内に充満し、パンの表面は薄い水の膜で覆われる。これにより、パンの表面が軽く焼けた状態になる。パンに含まれている水分、バター、香りなどがしっかりとパンの中に閉じ込められる ...

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