<新会社>
TOW・1-10・ギークが新会社設立 イベント・デジタル・映像でスポーツ関連事業を行う
「メジャー、マイナーを問わず、スポーツに『知る』→『体験する』→『選手として参加する』→『応援する』といった流れを生み出したい。そのためには、スポーツの価値を体験できる場が必要だ」(テー・オー・ダブリュー江草康二社長)――。
テー・オー・ダブリュー(TOW )、ワン・トゥー・テン・ホールディングス(1-10HD )、ギークピクチュアズの3社は、合弁会社「スポーツイズ グッド」を6月1日付で設立した。スポーツ振興と、周辺事業開拓を目的に、デジタル技術や映像技術を活用したイベント、PR活動の企画プロデュース事業を 手がける。資本金は3000万円で、TOWが51%を出資する。ワン・トゥー・テンは34%、ギークが15% 。
3社は、2020年の東京五輪をきっかけに、スポーツ自体への関心の高まりや、スポーツを企業のマーケティング活動や、地方創生に活用しようという 気運が高まると見込む。「VR(仮想現実)などのテクノロジーを生かせば、アスリートの視点から観戦するような体験を生み出せる。外部のPR会社やクリエイターの協力も請いながら、スポーツを応援していきたい」(江草氏)という。
TOWは、1- 10 HD 傘下のワン・トゥー・テン・デザインと2014年に業務提携し、デジタルコンテンツのノウハウを取り入れたイベント企画・制作に力を注ぐ。「インタラクティブ・プロモーション(IP)」と標榜する事業領域で、同社の売上高拡大のけん引役となった。2016年1月~ 3月も、IP事業で新規案件の獲得や5000万円超の中大型案件の受注数が増加した。
<新組織>
電通、オーストラリアのデジタル広告会社を買収
電通の海外本社、電通イージス・ネットワークは6月14日、オーストラリアの有力デジタルマーケティング・エージェンシーであるサーチ・ファクトリー社(ブリスベン市)を買収したと発表した。
2011年に設立されたサーチ・ファクトリー社は、SEMやパフォーマンス領域のデジタルマーケティング・サービスに強みを持っており、小売業やサービス業を中心としたローカルおよびグローバルの顧客からの高い評価を得ている。2015年12月期の売上高は約1.9億円。
電通は6月7日にスコーチ社の買収も発表しており、オーストラリアにおいては計200名以上の従業員を抱えることになる。同国の2015年のデジタル広告費は前年比11.8%増で、2016年と2017年もそれぞれ7.8%増、7.3%増と堅調な成長が続く見通しだ(電通グループCarat調べ)。
<リニューアル>
資生堂『花椿』Web 版を一新 20歳代へのアプローチを強化
資生堂は、自社メディア『花椿』を通じた若年層消費者へのアプローチを強める。6 月1 日、『花椿』Web 版の内容を一新し、リニューアルオープンした。これまでは月刊誌の転載が主だったが、Webならではのコンテンツに力を注ぐ。
『花椿』のWEBGIFアニメや動画を配信したり、写真共有サービスの「Instagram 」などソーシャルメディアとの連動を強化した。初日は約1万PV(のべ閲覧数)、ユニークユーザー数(個別訪問者数)は3000人超でスタートを切った。
『花椿』は1937年の創刊以来、美に関する情報やライフスタイルを発信し続けてきた。1960年代~ 70年代の高度経済成長期には、680万部を誇ったが、時代が下るにつれ発行部数が減り、直近では7万5000部(公称)に。40歳代や50歳代の認知度は高い一方で、20歳代にはほとんど知られなくなっていた。
新たに編集長を務める資生堂企業文化部の樋口昌樹氏は、「『花椿』のリニューアルを機に、20歳代のお客さまに『(資生堂は)私たちのブランド』という意識を持っていただきたい」と意気込む。
アートディレクターは資生堂 宣伝・デザイン部の澁谷克彦氏が続投する。2015年11月発行分で休刊していた印刷版も、季刊誌として復刊する。初秋に創刊号を発行する予定。「いままで印刷版は百貨店を中心に配布していたが、今後は配布場所を増やしたり、イベントを開催するなどして、認知度を高める」(樋口編集長)。