誘致のカギは独自資源の活用 「アート」に活路を見出す香川県の挑戦
2000万人規模となった訪日観光客は“巨大マーケット”として、企業だけでなく地方自治体からも熱い視線が送られ、激しい誘致競争が繰り広げられている。その土地ならではの魅力を発信し、取り組みが奏功している地域がある一方で、そうでない地域も少なくないのが実情だ。香川県の事例から、その成否を分けるカギを考える。
インバウンド×地方創生
百貨店ハロッズハロッズでは、二つ以上の言語を扱える店員はその言語の国旗をあしらったバッジを付けているという。英語を話せない観光客でも、自分たちの言葉が通じる店員を簡単に見つけて、買い物を楽しめるようにするための「おもてなし」だ。
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デイビッド・ブレッケン氏は、英国発のマーケティング専門メディア『Campaign』のアジア・パシフィック版を担当するエグゼクティブ・エディターだ。日本に駐在し、広告主企業や広告企業の動向を世界に伝えている。彼はどんな眼差しで、訪日客向けの施策を見ているのだろうか。
個人的には、「これは訪日観光客に向けの広告だな」と感じるものに出会っている実感がありません。それは広告だけのことではないのです。英語でメッセージを伝えようとする表現物が、最も訪日観光客が集まる東京でさえ、ほとんど見当たらないと思います …