誘致のカギは独自資源の活用 「アート」に活路を見出す香川県の挑戦
2000万人規模となった訪日観光客は“巨大マーケット”として、企業だけでなく地方自治体からも熱い視線が送られ、激しい誘致競争が繰り広げられている。その土地ならではの魅力を発信し、取り組みが奏功している地域がある一方で、そうでない地域も少なくないのが実情だ。香川県の事例から、その成否を分けるカギを考える。
インバウンド×地方創生
4月4日、東京・新宿に国内最大級のバスターミナル「バスタ新宿」がオープンした。新宿駅周辺で19か所に分散していた高速バスの停留所を1か所に集約。集約前と後では高速バスの乗り換えにかかる時間は半減した。現在2000万人近くいるとされる訪日観光客を地方に「送客」するためにも、交通網の整備は必至だ。
東京都総務局の調査によれば、年間の商品・サービス販売額は約1兆円、訪日外国人旅行者数でも新宿は全国1位である(JNTO訪日外客実態調査)。さらに新宿駅は1日347万人が利用している、まさに日本を代表する都市である。
そんな新宿にオープンした「バスタ新宿」は1日に最大1625便が発着する、日本最大級のバスターミナルだ。提携しているバス事業者数は118社で39都府県300都市と連絡するネットワークがある。3階には国内外から東京を訪れる旅行者に観光情報を提供する「東京観光情報センター」が入っている。
オープン日には約2300人が訪れた。東京都が運営する同センターでは観光に必要なサービスをワンストップで提供する。例えば、佐川急便やジェイティービーといった民間企業とも連携しており、荷物の預け入れや旅行商品の販売なども行っている。また、「伝統と革新」をテーマに4か国語対応の着物コンシェルジュや無垢の木をイメージしたカウンターなど、内装は日本ならではの伝統を意識していることがうかがえる。
訪日観光客には富士山や箱根などが人気のようだ。「訪日観光客が日本に到着後、空港以外で …