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“限定商品”の仕掛けに弱い?「ソロ男」とは

荒川和久(博報堂ソロ活動系男子研究プロジェクト・リーダー)

ソロ男(だん)─。一人暮らしの独身20~50代男性、自立・自給しながら束縛のない自由なライフスタイルを楽しむ生活者を指すという。博報堂は2014年からマーケティングターゲットとしてのソロ男に着目し、その生活意識や消費行動を研究している。自身もソロ男であるプロジェクトリーダーの荒川和久氏に話を聞いた。

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健康への意識から食品の品質表示は必ずチェックし、世の中ですでに流行っているものは絶対に買わない。趣味である旅行と写真にはお金を惜しまない典型的なソロ男である。

男性の消費意欲はほんとうに低いのか?

─20~50代の独身一人暮らしの男性を「ソロ男(だん)」と名づけ、彼らの生活意識や消費行動などを研究されています。なぜ20~50代独身男性に着目したのでしょうか。

マーケティングのターゲットを年代・性別で分けると、40~50代女性の主婦層は以前からターゲットでしたし、20~30代女性も未婚・既婚にかかわらず消費意欲が旺盛だという理由で注目されてきました。60代以上のシニア層、10~20代前半の若者も同様です。しかし、20~50代男性だけは誰も相手にしませんでした。

その理由は明快で、高度成長時代には、この年代の男性はほぼ100%結婚して、夫や父親になりました。財布のひもは奥さんに握られます。また、そもそも男性は消費しないというイメージがあり、男性を狙っても仕方がないというわけです。

ところが調べてみると、そうとも言えないんです。消費性向(所得のうちで消費にあてる割合)は、独身女性75%に対して独身男性60%強で、確かに女性が上回ります(2013年「家計調査」)。一方、消費支出額でみると、独身男性約18万円に対して独身女性約17万円で、男性のほうがお金を使っています。内訳をみると食費が多く、しかもやたらお菓子やスイーツを買っているのです。

そもそも彼らが結婚しない理由は、自分のためにお金を使いたいからです。独身男性はターゲットとして十分に魅力的だと思ったのです。

─確かに男性はよく買っていますね。例えば2つのお惣菜のうちどちらを買おうか迷うとき、「両方買う」という男性がいます。両方買っても食べ切れないことが分かっているのに、なぜ買うのでしょうか。

両方買いたいのがソロ男です。例えば、から揚げとトンカツで悩んだ結果、トンカツだけにすると、「から揚げをあきらめた」という不幸感が残るわけです。その後、食べるか食べないかは問題ではありません。実際、トンカツを食べたらお腹いっぱいになり、から揚げを冷蔵庫に入れたまま忘れて腐らせた─それでもいいんです。あるいは、両方とも食べると食べ過ぎだと思うから、トクホのお茶もプラスオンで買う。

─なるほど。買わないという選択は不幸感につながるわけですね。

独身男性は、奥さんも子どももいないので、日常的に感じられる“平凡だけど幸せな感じ”がありません。買い物をすることでその穴埋めをしている、つまり消費によって幸福感を得ているのかもしれません。

─ほかにソロ男の消費行動の特徴はありますか。

男性がこれまでターゲットから外されてきた理由として、「広告や販促で狙っても動かない、マスが効かない層」とも言われてきました。その一面も確かにあります。ターゲットにされていると思った途端に買わなくなる ...

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