実店舗とネットショップ、どちらも兼ね備えたブランドでは、どのようなコミュニケーション戦略をとり、生活者の変化に対応していこうとしているのか。2社の方針を聞いた。
ベイクルーズ 上席取締役 ICT統括/EC統括 村田 昭彦氏
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ドーム 取締役 兼 執行役員CMO マーケティング本部長 赤倉 吉典氏
─Eコマースの急成長によって、どのようなコミュニケーション戦略をとっていくか、企業の重要な課題になっています。
村田▶ 当社は、ファッションとともにライフスタイルを提案する事業として、50以上のマルチブランドを運営しています。全国に320 店舗、ファッション以外にもフードやファニチャー、フィットネスなど4つの事業を展開し、社員数は4000名、売上910億といった規模です。売上の中でEコマースが占める割合は、全体の2割ほど。ここ4年くらいの間で毎年3〜4割ほど増えています。店舗とEC、両方を利用している人の平均購入額は、店舗のみ利用の金額と比べ2.1倍。ECのシェアが高い伸びを示し、今後もECの拡大が不可欠と認識されるようになりました。基本戦略としては、顧客を中心にサービスやコミュニケーションのあり方を組み立てていくこと。会員、在庫、サービス、コミュニケーションの4つの統合を進めていこうというのが、オムニチャネル戦略の核です。自社ECサイトをビジネスプラットフォームとして活用していく方向で進めています。
赤倉▶ 我々はアスリートのパフォーマンスアップに貢献するサポート事業を行っています。具体的には、怪我の予防、サプリメントの販売、トップアスリート専用のトレーニング施設の運営などです。代表的な事業として、米国のスポーツプロダクトブランド「UNDER ARMOUR」を日本で展開しています。現状では、デジタル戦略が十分にできているとは言えません。米国での戦略の方向性として、健康、フィットネス領域におけるソーシャルネットワークをつくりあげるというところを目指して進んでいます。アプリを利用した「コネクテッドフィットネス」の商品が2016年はじめに米国内でローンチされ …