スマホの保有が増える中、ウェブ上のアンケ-ト調査においても、スマホ端末から回答する傾向が高まっている。こうした環境の変化に伴い、調査のあり方も見直されている。アンケート調査を通じて売れる商品やサービスの企画・開発を支援する、楽天リサーチ リサーチ統括部 部長 植村史明氏に聞いた。
[注記]楽天リサーチによる実験調査 | |
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調査エリア | 全国 |
調査対象 | 20歳~49歳男女 |
回収サンプル数 | N=3,600(半数はPC端末から回答、残り半数はスマホ端末から回答) |
調査手法 | インターネットリサーチ |
調査期間 | 2015年4月15日~4月23日 |
「アンケートにスマホから回答したことがあるか」と、モニターに調査したところ、「ある」と回答した人の割合は、全体では4割程度ながら、20代では65%、50代では21%となり、大きく割れた結果になりました。一方で、現在の調査設計は、「PCからの回答を専ら想定した設計」と、「スマホからの回答に制限した設計」の2つが主流です。これは、年代による回答端末の差異を鑑みると、両者とも環境の変化に対応した最適な調査設計であるとは言えません。そして、環境に合わない調査設計は、データの大きな「歪み」を生み、適切でないビジネス意思決定を生んでいるおそれさえあるでしょう。
この問題を理解するには、PCからの回答とスマホからの回答に違いがあるとしたら、それはどこから出てくるものなのかを知る必要があります。両者の回答の違いは、「標本枠効果」と「端末効果」の2つから生じています。
まず標本枠効果とは、回答者の特性により、回答に違いが生じることを指します。グラフは、スマホから回答する人の方が、PCから回答する人に比べて、情報感度が高いことを検証した結果です。すなわち ...
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