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ヒットの仕掛け人

どう売る機能性表示 ノンアルでつかんだ手応え

アサヒビール「アサヒ スタイルバランス サワーテイスト」

健康などへの効果(機能性)を表示できる「機能性表示食品制度」が2015年4月1日にスタートし、各メーカーがさまざまな商品を投入した。健康食品だけでなく、食品や飲料、生鮮品など数十種類に上る。「一度は試してみようか」と手が伸びた後、どう顧客をつかむか、明暗が分かれているようだ。その中で、堅調に推移しているのが、「アサヒ スタイルバランス サワーテイスト」。2015年6月の発売から半年で35万ケース※を販売した。今年はさらに拡販、定着を狙う。

※1ケースは250ミリリットル缶x24本換算

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機能性表示食品でノンアルコール飲料の「アサヒスタイルバランス サワーテイスト」。甘すぎず食事に合うことを伝えるために、すっきりとしたパッケージに。

アサヒビールとしては初めての機能性表示食品となった「アサヒスタイルバランス」。ブランドマネージャーの松橋裕介氏と、量販店営業を統括する林美貴子氏の双方に話を聞いた。プロモーション施策の立案では、グループのアサヒ飲料の事例を参考にしたこともカギとなったようだ。

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(右)アサヒビール マーケティング第一部プロデューサー 松橋裕介氏
(左)同 量販統括部販促グループ課長補佐 林美貴子氏

―「アサヒスタイルバランス サワーテイスト」は、どのような商品なのでしょうか。

松橋裕介氏▶ 「スタイルバランス サワーテイスト」はいわゆる「ノンアルコール」カテゴリーに入る商品で、当社では「サワーテイスト清涼飲料」と位置づけています。「スタイルバランス ビールテイスト」というノンアルコールビールも発売しています。

いずれも難消化性デキストリンという食物繊維を1缶(350ミリリットル)あたり5グラム配合しており、「食事の脂肪の吸収を抑える」「食事の糖分の吸収を抑える」という2つの機能を掲げています。「サワーテイスト」は、レモンとグレープフルーツのサワー風味の商品です。

発売は2015年6月で、同年末までの半年間で目標35万ケース(1ケース=250ミリリットル缶×24本換算)とし、おかげさまで達成できました。

―ノンアルコールのサワーテイストでかつ機能性表示食品というのは、現状、類のない商品ですが、どのように開発に至ったのですか。

松橋氏▶ ノンアルコール飲料の市場は、2011年~12年に一定の市場規模が形成されました。当社でも、本格的なカクテルの風味を楽しめる「アサヒ ゼロカク」などを投入しています。

ただ、2015年までにおおよそ市場が成熟してしまい、なかなか前年を超えづらくなってきた、というのが現状です。市場内部でのブランドシェアも固まってきてしまっているというのが大きな課題だったのです。

そこで、「機能性表示食品」を投入して、「ノンアルコール」にさらに「健康」という軸を加え、独自のポジションを築こうと考えたのが、開発の背景です。

ノンアルコール飲料を飲むという動機の背後には、すでに休肝日などの健康需要が隠れている。このニーズに着目し、さらに明確に「健康価値」を打ち出すことで、ノンアル飲料自体の捉えられ方も変えられるのではないかと考えました。

これまでのノンアルコール飲料は、「クルマの運転があるから」ですとか、「妊娠・授乳期だから」などといった、「お酒をガマンしなくてはならない状況で飲む商品」という側面がありました。そうしたカテゴリーの中で、「健康のために積極的に選ばれる」ような、ポジティブな動機の商品にポジショニングしたい、という狙いがあったのです。そういう意味では、サワーテイストの機能性表示食品は、より消費者インサイトにはマッチしているとも思います。

また、清涼飲料市場での炭酸飲料は、トクホ(特定保健用食品)など ...

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