紙いっぱいに、写真と「ありがとう」の文字が配された「39card」。メールで気持ちを伝えられるいまの時代に、多くの人が買い求めている。ビジネスにおいてもさまざまな使い方が考えられるはがきの制作意図や活用法を聞いた。


「39card」には現在、写真版とイラスト版がある。送る人のことを想いながら、はがきを選ぶ楽しさがあり、「はがきの余白を字で埋めなければいけない」というプレッシャーがない点が人気の理由だ。
「書かないといけない」プレッシャーを軽減する
「39card」の生みの親は、フリーランスや印刷ものユニット「Swan Pelapela Factory」でデザイナーとして活動しているおざきふみ氏。「39card」を作ったのは2年前だ。「はがきを送る機会が減少している中で、なんとかできないかと思ったことがきっかけでした」。
まず、時代と共に人々の忙しさが増す中で、はがきは面倒くさいと思われていると仮説を立てた。「その煩雑さを解消した“手軽なはがき”があればいいと考えました。さらに、39cardの名前の通り1枚1枚写真が異なる39枚セットとして作成しました」。
写真は鯉や猫など、おざき氏が撮影したもの。美しすぎる風景写真を使うと、画のメッセージ性が強すぎると考えたのだ。
「何気ない風景ではあるけれど、よく見るとメッセージがありそうな写真の方が、コミュニケーションのきっかけになると思いました」。
常連客への関係強化にも活躍
「はがきなんて売れないよと言われることもあり、恐る恐るネットで販売を始めました。すると、男性やアパレル、雑貨屋さんなどのお店を営む方からの反響が大きく、驚きました」。
例えば、同じ顧客に何度かはがきを送る。すると ...