昔ながらのユルいSNSが好きなワタシ
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)対オールドメディア──2024年の後半、よく聞かれたフレーズである。振り返ると、昨年は米大統領選を始め、日本国内の選挙でも、新聞やテレビが報じる内容とSNSで拡散する内容とが異なり、必ずしもメディアの報じる選挙結果にならないこともあった。
「買う」5秒前2
西野カナの「トリセツ」は戦略的なコピーワークで幅広い女性層の支持を得る反面、従来のファン層には戸惑いも見られる。
イラスト:高田真弓
今の20代の人は知らないと思うけど、1980年代の若者たちのプレイスポットといえば、ディスコだった。ミラーボールが色とりどりの光を放つ空間で、DJが紡ぐノリのいい曲に合わせて踊る若者たち―。
80年代前半は六本木のスクエアビルを総本山としたサーファーディスコが人気で、サーファールックの若者たちが、アース・ウインド&ファイアーの「宇宙のファンタジー」やボーイズ・タウン・ギャングの「君の瞳に恋してる」などに合わせ、皆で同じダンスをした。80年代後半のバブル時代は、「マハラジャ」に代表される高級ディスコが台頭。ユーロビートに乗せて、男性はアルマーニのスーツ、女性はワンレン・ボディコン姿で踊るのが定番だった。日比谷にあったディスコ「ラジオシティ」は、アフターファイブのサラリーマンやOLたちの社交場と化した。
さて、そんなディスコブームは89年、頂点を迎える。その年、音楽の流行はブラックミュージックへ移行、ディスコのトレンドも六本木から湾岸へ移った。中でも人気を博したのが、巨大なアングラ空間「GOLD」である。夜な夜な流行に敏感な人間が集まり、怪しげな宴が催された。ところが―その年を境にブームは急速に下り坂になる。
原因は、ディスコ文化が最先端に特化して、大衆性を失ったからだった。それまでは ...