2000万人が目前に迫った訪日観光客需要。さまざまなアプローチの仕方があるが、買い物や観光で街歩きをする旅行者に対し、屋外広告や交通広告は有効な手段のひとつとなりそうだ。しかしジャパンショッピングツーリズム協会専務理事の新津研一氏は、この分野は「まだ開拓の余地がある」と話す。

訪日客の姿がすっかり定着した東京・銀座。しかし、彼らに向けたアプローチは、まだまだ改善の余地がありそうだ(写真提供:Shutterstock.com)
- 自分が外国に行ったときを想像して街を見渡してみる
- まずは英語の併記、漢字の多用から始める
- 広告デザインは先入観で決めず、現地の最新事例を学ぶ
訪日客へのアプローチを考えるポイント
─訪日客向けのプロモーションのポイントはずばり、何だとお考えですか。
新津研一氏 「このスイッチを切り替えればうまくいく」というものがあるとすれば、「訪日客をお客さまとして認識する」ということだと思います。
─かねてからの訪日客需要で、各企業が「お客さま」として考えているのでは?
新津氏 どうでしょうね。自分が外国に行ったときを想像して街ナカを見渡すと、まだ改善の余地があることが分かると思います。
例えば休憩しようとドーナツ屋さんに入ったとします。ところが、読めない文字ばかりで商品名すら分かりません。チョコレート味やストロベリー味くらいは色でも判断できるでしょう。では、アップルパイとミートパイを見た目で区別できるでしょうか。
「英語でAppleとかMeatと書いてあればいいのに、せめてリンゴや肉のイラストがあれば分かるのに」─全く同じことを、いま日本を訪れる人々は感じているでしょうね。
看板一つとっても、日本の百貨店できちんと「Department Store」と英語で掲げているところはどれだけあるでしょう。特に電鉄系。ガイドブックにすら載っていないところも多いですから …