ここ11年連続で減少が続くビール系飲料の市場だが、2015年は19年ぶりに「ビール」の出荷数量が前年比でプラスとなった。0.1%でありながらも、各社の商品強化施策や、マーケティングに反応があったと言えそうだ。そのけん引役のひとつとなったのがサントリービールの定番価格帯「ザ・モルツ」。発売から約1カ月で上方修正した販売計画をさらに上回る実績で2015年を終えた。
※1ケースは大びん換算で20本

「ザ・モルツ」は、「ザ・プレミアム・モルツ」や「〜ザ・プレミアム・モルツ〜 マスターズドリーム」を通して培った製法やノウハウを活かして開発した。
今回の仕掛け人は、サントリービールで「ザ・モルツ」を担当する川合悠介氏。消費者の嗜好や生活スタイルが多様化し、市場にも多くの商品があふれる中、「My ビール」として選んでもらえる商品に「ザ・モルツ」を育てたいと話す。好発進した2015年が明け、いよいよ今年は商品の定着化を図る。

サントリービール マーケティング本部 プレミアム戦略部 川合悠介氏
―2015年は「ビール」が19年ぶりに前年比増となりました。サントリーは15.7%で過去最高のシェア達成でした。
川合悠介氏▶ ビール市場はずっと減少傾向が続いていましたので、0.1%ながら前年を上回れたのは、大きなトピックスだったと思います。
おかげさまで定番価格帯ビールの「ザ・モルツ」も、昨年9月発売から翌月には当初販売計画の200万ケース※から300万ケースに上方修正し、結果的にはそれも上回る324万ケースとなりました。
2016年は、20~40代をターゲットとする「ザ・モルツ」で730万ケースを狙い、定着を図ります。直近の2月15日からの「UMAMIで乾杯!」キャンペーンなど、マーケティング活動を積極的に展開し、今年もビール市場の活性化に貢献できればと思います。
―「ザ・モルツ」はどのような位置づけの商品なのでしょうか。
川合氏▶ ひとくちに「お酒」と言っても …