
本当の「おもてなし」をするために
松尾慎教授の専門は、多元文化教育や日本語教育。ゼミでは「多文化共生」の視点から学生にさまざまな問題提起をし、学生が主体的に議論を行って理解を深める場づくりをしている。
近年、訪日外国人観光客が増加し、日本の魅力を世界に向けて発信していこうと各社が取り組んでいるが、松尾教授は、日本語や日本文化について考えるとき、「日本語」とは何か、「日本文化」とは何か、ということを深く掘り下げるようにしているという。例えば、琉球諸語は日本の方言なのか、独立した言語なのか。では、文化の面から考えたときに琉球の文化はどうか。こうした考察を繰り返すことで、多文化共生の視点が身に付くという考えだ。ゼミの中でも、身近な話題から社会問題まで幅広く「多文化」について学生に問いかけている。
訪日客の増加に伴い、外国人向けのサービスや多言語対応が進んでいるが、そこで重要なのは「想像力」と松尾教授は言う。「単に必要な情報を外国人のお客さまに伝えるだけではなく、相手がどう感じるかを常に意識しなければなりません。例えば、英語で必要な情報を載せても、英語が分からない人には当然ながら伝わりません。英語など外国語で伝えることに固執するのではなく、わかりやすい日本語で伝える力が第一です。相手と接客で対面するときも、まず大切なのは、相手を安心させる笑顔。そして一方的な説明をするのではなく、相手が求めていることをどう引き出すか考えることが不可欠です。ちょっとお節介になることも大切かもしれませんね」と、松尾教授。相手に思いを馳せる想像力こそが、真の「おもてなし」につながる。
何が一番相手に必要なのかを考える
松尾ゼミでは、前期は毎回異なるテーマでディスカッションを行うが、後期は学生がゼミの指針を決める。現4年生は昨年の後期に「やさしい日本語マッププロジェクト」を行った。
「やさしい日本語マッププロジェクト」とは、大学のある西荻窪に在住、もしくは訪問した外国人に、わかりやすい日本語で西荻窪の街を紹介しようという企画だ。「松尾ゼミだからできることをしたい」という学生の想いから実現している。西荻窪にある店舗に協力を依頼し、雑貨・食べもの・本・娯楽の4種類のマップを、日本語能力試験の旧3級レベルを目安に作成した。
各班によって記事の特徴はさまざまであるが

本当の「おもてなし」をするために
松尾慎教授の専門は、多元文化教育や日本語教育。ゼミでは「多文化共生」の視点から学生にさまざまな問題提起をし、学生が主体的に議論を行って理解を深める場づくりをしている。
近年、訪日外国人観光客が増加し、日本の魅力を世界に向けて発信していこうと各社が取り組んでいるが、松尾教授は、日本語や日本文化について考えるとき、「日本語」とは何か、「日本文化」とは何か、ということを深く掘り下げるようにしているという。例えば、琉球諸語は日本の方言なのか、独立した言語なのか。では、文化の面から考えたときに琉球の文化はどうか。こうした考察を繰り返すことで、多文化共生の視点が身に付くという考えだ。ゼミの中でも、身近な話題から社会問題まで幅広く「多文化」について学生に問いかけている。
訪日客の増加に伴い、外国人向けのサービスや多言語対応が進んでいるが、そこで重要なのは「想像力」と松尾教授は言う。「単に必要な情報を外国人のお客さまに伝えるだけではなく、相手がどう感じるかを常に意識しなければなりません。例えば、英語で必要な情報を載せても、英語が分からない人には当然ながら伝わりません。英語など外国語で伝えることに固執するのではなく、わかりやすい日本語で伝える力が第一です。相手と接客で対面するときも、まず大切なのは、相手を安心させる笑顔。そして一方的な説明をするのではなく、相手が求めていることをどう引き出すか考えることが不可欠です。ちょっとお節介になることも大切かもしれませんね」と、松尾教授。相手に思いを馳せる想像力こそが、真の「おもてなし」につながる。
何が一番相手に必要なのかを考える
松尾ゼミでは、前期は毎回異なるテーマでディスカッションを行うが、後期は学生がゼミの指針を決める。現4年生は昨年の後期に「やさしい日本語マッププロジェクト」を行った。
「やさしい日本語マッププロジェクト」とは、大学のある西荻窪に在住、もしくは訪問した外国人に、わかりやすい日本語で西荻窪の街を紹介しようという企画だ。「松尾ゼミだからできることをしたい」という学生の想いから実現している。西荻窪にある店舗に協力を依頼し、雑貨・食べもの・本・娯楽の4種類のマップを、日本語能力試験の旧3級レベルを目安に作成した。
各班によって記事の特徴はさまざまであるが …