プロバスケで、ダントツの集客力を誇るチームが沖縄にある。試合会場を「劇場化」し、多くのファンを惹きつけている。


体育館の照明がパッと落ちる。光り輝くミラーボールと色鮮やかなライティングが、体育館をライブ空間に変える。テクノ風の沖縄民謡をバックに、名前を呼ばれた選手がスポットライトを浴びながら、観客席に手を振る─。
本場NBAのような試合前のシーンは、bjリーグで優勝3回を誇る琉球ゴールデンキングスの名物だ。
キングスは、bjリーグで圧倒的な存在感を放つ。1試合の平均観客動員数が1500~1600人のbjリーグで、キングスのそれは3200人を超える。毎試合、体育館はほぼ満員で、立ち見も出るほど盛況だ。
なぜ、キングスはbjリーグでナンバー1の人気チームに育ったのか。そこには、運営会社の沖縄バスケットボール・木村達郎社長独自の視点が活かされている。「スポーツ観戦は、時間通りに会場に来てもらって、席に座って2時間も過ごしてもらう。数多くのビジネスが時間を奪い合っている中で、スポーツほど拘束性の高いコンテンツはありません。だからこそ、対価以上の時間体験、空間体験をつくることが大切なんです」
プロスポーツには勝敗がつきものだが、木村社長は ...
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