「フェイクグリーン」をご存じだろうか。昔で言うところの「造花」だが、部屋に飾り、インテリア感覚で楽しむ人が増えている。そんなフェイクグリーンに魅せられた一人、日下部有香氏はフェイクグリーンとインテリア雑貨を販売するショップ「いなざうるす屋」のオーナーだ。日下部氏の買い物エピソードから、SNSを中心に多くのファンを引きつける「いなざうるす屋」の秘密を探る。
お気に入りのハンドメイドのピアスをつけて。取引先の造花メーカー「アスカ商会」の東京ショールームにて撮影。
─まずはフェイクグリーンの魅力について教えてください。
私はもともと本物のグリーン(植物)が好きで、今でもそれは変わりません。ただ、グリーンを買っても、なかなかうまく育てられないことが多くて。そんなとき、あるひとつのフェイクグリーンに出会ったんです。「こんなにフェイク感をあまり感じないフェイクグリーンがあるんだ」と驚きました。その時出会ったフェイクグリーンを1本買い、部屋に試しに飾ってみたのが最初です。その後、結婚してマイホームを購入したのを機に、フェイクグリーンをたくさん飾るようになりました。
フェイクグリーンを「本物の植物のニセモノ版」としてではなく、「雑貨」として捉えてもらいたいなと思っています。もちろん、本物の植物は素敵ですが、この子達には本物の植物にはない魅力がたくさんあります。グリーンを育てにくい環境や、私のように育てるのが苦手な方でも楽しむことができます。土を必要としないし、水やりの必要がないので、例えば手の届かないような高い場所など飾る場所を選びません。また、ワイヤーが入っていて自由に形を変えることができるものや、はさみで切って分解できるものも多くあり、アレンジも楽しめます。こんなふうに自由度が高いからこそ、「雑貨感覚」で楽しめるところがフェイクグリーンの最大の魅力なんです。
私自身、本物のグリーンが大好きだからこそ、“本物チック”な子達にこだわたってショップに並べています。その点もお客さんに気に入っていただけているようで、とても嬉しいです。
─ネットで“リアルっぽさ”を伝えるのは難しそうですね。
そうなんです。なので、最初はイベントなどに出店して、実物をたくさんの方に見てもらい、フェイクグリーンの魅力を体感してもらうことから始めました。今でも、リアルな場での出店を大切にしています。直接お客さんの顔が見れ、声が聞ける貴重な場になっています。
「買ったもの、行った場所」のテーマに関連してお話しすると …