訪日観光客の関心をつかむにはどうすればいいのか。メディアも海外ユーザーを拡大しようと動き始めた。コンテンツ制作のプロである彼らの取り組みも参考になりそうだ。
オールアバウトが9月末に開設した、他言語で日本の情報を紹介するサイト「All About Japan」。国内外在住の外国人ライターが外国人目線で書いた記事が特徴だ。「RAMEN」「ONSEN」「BENTO」など特定テーマごとに週替りでサイトデザインが変わる。
海外の視点で生まれる説得力
オールアバウトは9月29日、日本文化の発信による訪日ニーズの取り込みや、海外進出を図る企業・自治体の支援として、外国人向け日本総合情報サイト「All About Japan」を開設した。年内めどに英語、中国語(簡体・繁体)から、韓国語・タイ語などにも対応する予定。
国内外在住の500人の“日本通”外国人ライターのオリジナル記事が一番の目玉。「外国人向けには日本人からの発信だけでは不足」と話すのはオールアバウト グローバル推進室マネジャーの弘中雪絵氏。「外からの視点で日本の文化風習を伝えてもらったほうが、日本の魅力を分かりやすく伝えられる」。ライターにはブロガーだけでなく、バイヤーや国際的に活躍するプロデューサーなど、ビジネス視点を持った人材も多い。編集長を務めるのは、10年以上日本に在住し、ポップカルチャーから日本の歴史、政治、観光など幅広いジャンルで日本の実情を執筆してきたマイケル・カナート氏。日本在住の外国人向け情報誌『メトロポリスマガジン』の編集長経験者でもある。
「外国人の視点」をオールアバウトが重視するようになったのは、2011年ごろのことだった。その前年の2010年からグローバル展開を始めた同社だが、すぐに領有権問題や東日本大震災が発生し、足が遠のきがちになってしまった。「日本の魅力や安全性などを、日本人がいくら訴えてもなかなか届かない。それならば、日本在住の中国人に発信してもらえば、より伝わるのではないか」(弘中氏)。そこで始めた、日本に住む中国人などによる「華人在日本」と題したコンテンツが人気を博したのだ。これを起点に、ほかの言語にもコンテンツを拡大していくことになった。
興味関心こそリピートのカギ
一度の訪日だけでなく ...