訪日前に「欲しいもの」を決めて買い物をしている外国人観光客の様子が見られる一方で、店頭での「衝動買い」もゼロではない。それを促すことができるのが販促ツールである。では、どのような商品カテゴリがどんな理由で店頭で購買されているのか?どんな販促物が買い物の参考になりやすいのか?ドラッグストアで訪日客を対象に行った調査結果を見てみよう。
- タナックス
- 調査対象:中国語圏(中国本土・香港・台湾)の訪日外国人観光客20~69歳男女、来店時に購入商品を決めておらず、店頭で決めた人
- 調査手法:東京、大阪で街頭アンケート
- 調査期間:2015年3月30日~4月12日
編集協力
調査概要
タナックス、インサイト・ファクトリー調べ
DATA1 店頭で購入を決める商品カテゴリは?
来店前に買う商品を決めず、店頭で決めた商品として最も多かったのは化粧品。次いで医薬品、日用品だった。店頭で購入した商品について「事前に認知していたか」を尋ねる質問では、全体の約2割が「非認知」の商品だったと回答した。
DATA2 販促物の参考度は
販促物の視認率を調べたところ、「棚の上にあるボード」が最も多く、次いで「レールPOP」「商品に貼られているシール」だった。商品カテゴリ別にみると日用品で最も多かったのが「実物見本」という結果になった。
DATA3 店頭で購入した理由は?
商品を事前に知っていた人は「周囲の人やインターネットでの評判が良いから」という理由が最も多く、商品を事前に知らなかった人は「日本のメーカーだから」という理由が最も多かった。また説明書きやパッケージが魅力的だった、店員に薦められたという回答も一定数見られた。販促物を通じて日本製であることや、評判が高く店で推薦している商品であることなどを打ち出せば、より売り伸ばしを図ることが期待できそうだ。
「Made in Japan」「売上NO.1」を店頭で訴求
明治 アミノコラーゲンシリーズ
上記のような訪日客への調査の結果を踏まえ、販促物制作を強化したのが、明治アミノコラーゲンシリーズだ。美容コラーゲン国内売上1 位※の「アミノコラーゲン」は訪日客からの需要も高い。だが高付加価値商品の「アミノコラーゲン プレミアム」については、同ブランドのシリーズ品と捉えられていないのではという仮説があった。そこで2商品のUSPを瞬時に伝えようとつくられたのが写真のツール。このほか床置きのフロア什器も用意した。「特に訪日中国人は日本製品に対する信頼性が高いので『日本で一番売れている』『日本製』といったワードを強調したところ、店頭での購買喚起につながっています。また旅行計画の時点で訪日客は知人やネットからの評判をもとに購買計画を立てていて、店舗ではスマホを片手に目当ての商品の画像と同じものを探しているので、ツールにもパッケージを大きく訴求し販売機会ロスを低減しました」(明治の担当者)。
※インテージSDI美容市場2014年1月~12月ブランド別累計販売金額