VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)の視点から、入店客数の増加につながる商品陳列のあり方をアパレルメーカーで約30年VMDにかかわってきたライトハウスの藤井雅範氏が解説する。

通路に面したお店の顔にあたる部分(ファサード)は入店客数にかかわる重要な部分です。
VMD基本用語
VMD ヴィジュアル・マーチャンダイジング
お客さまにあなたのお店(あなたのブランド)の価値を、“視覚をメインとした五感で伝えること”。商品の価値をより高く伝わるように“体感してもらうこと”。
VP ヴィジュアル・プレゼンテーション
そのお店のMDの特徴やコンセプトを表現すること、またはそのスペースのこと。一般的にはお店のファサード(入り口、通路面のお店の顔の部分)にあるショーウインドウやステージ上で数体のスタイルをまとめてみせる場合が多いです。
IP アイテム・プレゼンテーション
お店で、お客さまが手にとれるように商品が陳列されている状態、またはそのスペースのこと。
PP ポイント・オブ・パーチャス・プレゼンテーション
陳列されている商品群をピックアップして、着こなしや着回し使い方を表現すること、またはそのスペースのこと。いわゆるPOPもこのPP の一部に分類されます。
ファサード お店の顔
そのお店の外部の通路に面した部分をさします。特に、入店客数に影響を与えるスペースでもあります。
SNS ソーシャル・ネットワーキング・サービス
インターネット上の交流を通して社会的ネットワーク(ソーシャル・ネットワーク)を構築するサービス。主流はFacebookやツイッター、mixiといった会員制のサービス。ファッションの世界では近年Instagramの活用に注目が集まっています。
ポイント1
入店率を上げるVMD誘導の4工夫
突然ですが、あなたのお店の前を通るお客さまの数って増えていますか?おそらく、「なかなか増えない」「それどころか減る一方だよ」そう思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか?
人口は減少傾向、それなのに商業施設は次々とできる。おまけに、通販やウェブでの購買がますます増えてきています。ではそんな状況の中、どうすればお店に来ていただけるお客さまの数は増えるのでしょうか?
3つの観点から、入店客数をアップさせるコツをお伝えしたいと思います。まず、お店の前を通るお客さまの数が増えなくても、入店率が上がれば、入店客数は増えますよね。そのためには、以下の4つの工夫が考えられます。
(1)VPスペースを魅力的に演出する
これは、ショーウインドウや店頭にあるディスプレイステージといった、お店の一番目立つ部分、顔になる見せ場に対して行います。
そこでの表現方法をインパクトがあり、思わず足を止めたくなるものになるよう演出する、ということです。ここで、VPスペースを魅力的に演出する上で、よくありがちな間違いをいくつか上げておきますね。
・VPスペースにも売れ筋や量を売ってゆきたいものを見せている。
VPスペースはアイキャッチとなる部分です。売れ筋や量を売ってゆきたいものは、往々にして特にアイキャッチが高くないものになりがち。ここではそれよりも見た目のインパクトで商品を …