現状では業界2位のローソンと熾烈な争いを続けるファミリーマート。経営統合に向け協議を続けるユニーグループ・ホールディングス傘下のサークルKサンクスや、買収を決めたココストアを取り込むことができれば、ナンバー2の座に手がかかる。昨今の他社との連携の流れを中心に、顧客獲得に向けた動きをレポートする。
Tポイント軸に4社連携
相互送客に期待 ポイント3倍にかけ「サンバイザー」をかぶる各社の役員ら。左から、すかいらーく執行役員のニシャード・アラニ氏、ファミリーマート取締役常務執行役員の玉巻裕章氏、ソフトバンク専務取締役の今井康之氏、T ポイント・ジャパン取締役会長の村口伸一氏、TSUTAYA常務取締役の杉浦敬太氏。
Tポイント履歴から顧客嗜好に沿う販促
先行するセブン-イレブン・ジャパンやローソンを追いかける業界3位のファミリーマートが注力するのは「ポイント」「店舗拡大」の2つの施策だ。
7月22日には、ソフトバンクの携帯電話利用者がファミリーマートで買い物した場合、共通ポイント「Tポイント」を通常の3倍付与する施策を開始した。購入金額200円ごとに3ポイント付与されるというもの。ソフトバンクの契約者数は3月末時点で3776万6000人に上る。事前にポイントカード「Tカード」の番号を登録する必要があり、ソフトバンクは店頭で、新規契約者にTカードとのID連携を勧める。また同社のプリペイドカードを使うと4倍に、自動入金を利用すると5倍になる。ファミリーマートの月間利用額でポイントを追加付与するサービスは対象外。
「Tポイントの利用者、利用機会が増えれば、データから顧客の嗜好に沿った商品開発や販促キャンペーンができるようになる。それがまた来店増につながる、という循環的な効果に期待している」(ファミリーマート広報)。
ソフトバンクは10月9日、提携企業を拡大し、すかいらーくやTSUTAYAもポイント3倍施策を始める。相互送客に期待がかかるところだ。Tポイント・ジャパンの村口伸一取締役会長は、「消費者が2社、3社と重複して利用すれば、得られるデータの正確性も増す。それを各社が広告宣伝活動やCRM(顧客関係管理)に活用する道もあるだろう」とし、今後、成果が得られれば、5、6社に拡大したい考えも示した。
ファミリーマートの玉巻裕章常務は …