明治は、機能性ヨーグルトの「LG21」「R-1」に続く新ブランドとして「明治プロビオヨーグルトPA-3ドリンクタイプ」を4月7日、全国で発売した。掲げた「プリン体と戦う乳酸菌」のキャッチフレーズのとおり、メインターゲットは「プリン体を気にして生活している人」。そのユニークなポジションをどう消費者に伝えようとしているのか。
発見を祝って乳酸菌を主役に
俳優の三浦友和さんをイメージキャラクターに、「プリン体と戦う乳酸菌」=「PA-3」の発見を“祝う”テレビCM。カップタイプ(上・左右)とドリンクタイプ(下)の2編に加え、「大好評の夏」編を出稿。
健康診断で「尿酸値が高め…?」と出ると、頭に浮かぶのは「プリン体」。昨年から発泡酒で「プリン体ゼロ・糖質ゼロ」のいわゆる「ゼロゼロ系」が登場し、気にかけるようになった向きも少なくないのではないか。「明治プロビオヨーグルトPA-3」は、この「プリン体と戦う乳酸菌」をうたった商品だ。
2015年3月までの1年間のヨーグルト市場(乳酸菌飲料を除く)は、明治の機能性ヨーグルトの先駆けとなった「明治プロビオヨーグルトLG21」や同「R-1」がけん引して6年連続の伸長、3500億円規模となっている。明治は機能性ヨーグルトを戦略商品のひとつに位置づけ、発酵デイリー事業のヨーグルトカテゴリーで17年度には売上高1800億円超を目指す構え。「PA-3」も、「LG21」や「R-1」に続く第三の矢として定着を狙う。8月時点では当初の販売計画を大きく上回る推移という。発酵デイリー事業全体の2015年第1四半期売上高は、前年同期比5.7%増の1250億円となった。
しかしながら健康機能をうたう商品は、薬事法などの制限もあり、プロモーションは一筋縄ではいかない。パッケージには、00年発売の「LG21」や09年発売の「R-1」を受け継ぎ、商品価値の根幹である乳酸菌のロゴを最大限に大きく配置。カラーリングも「LG21」の青、「R-1」の赤ときて、「PA-3」は黄色を選んだ。
肝心のキャッチフレーズは、どのように選んだのか。ヨーグルトマーケティング部の小沢謙介氏はこう振り返る。「プリン体、言葉は知っている、では何かと問われると、明確には答えられないことが多いのではないか」。
プリン体はビール、魚卵などに多く含まれるとされるが、基本的にはあらゆる食事で摂取することになる。そもそも体内で7割が生成され、食事由来が3割。本来的には身体に必要なものだが、過剰摂取は健康にとって好ましくない。
「明治はプリン体に着目し、乳酸菌の可能性を追求してきた。そうした乳酸菌研究を通じてお客さまの健やかな生活に貢献したいという思いを込め、このキャッチフレーズを使用した」。
発売タイミングの4~5月は広告宣伝を集中させた。主役はやはり乳酸菌。「祝・発見」のコピーで、「(プリン体と戦う)画期的な乳酸菌が見つかった」ことを話題化し、垂直立ち上げを図るのが目的だ。
俳優の三浦友和さんをイメージキャラクターにテレビCMや交通広告を出稿。主要ターゲットである中高年男性が集まる東京・新橋駅では、構内をジャックしたほか、SL広場で三浦さん・タレントの柳沢慎吾さん、タレントで医師の西川史子さんを招いた発売イベントやサンプリングを実施。サンプリングでは約3000本のドリンクタイプを配布した。
周辺施策にも工夫を凝らす。「プリン体を連想させるような食のシーンでアピールできればと考えている。例えば今夏はビールを楽しむ場面の一つとして ...