
手と頭を動かして企画力を磨くデザイン・シンキングを主軸に
近畿大学経営学部の廣田章光教授のゼミは、マーケティング発想をベースにした企画能力を身につけることを目的に、製品開発、ソーシャルビジネス、社会デザインなどを研究テーマにしている。大切にするのは、とことんやるチャレンジ精神とそれを実現させる行動力だ。廣田ゼミでは論理的に物事を構築し、それらを説得する力を培う「ビジネス・シンキング」と並行して、デザイナーやクリエーターのように自らの手を動かし、感性や感覚を刺激しながら発想力をかたちにする思考法「デザイン・シンキング」を採用する。これらのノウハウを習得しながら、企業や地域と連携させた課題解決プログラムに体当たりして、実践するスキルを磨くのである。
「『デザイン・シンキング』では、自分が構想するものを絵で表現してストーリーボードを創作したり、アルミホイルと紙、粘土などで模型を作ったりすることで、思考が大きく変わり、学生の個性も発揮されます。モチベーションも高まってきますね」と廣田教授。
同ゼミでは、こういった「デザイン・シンキング」を活用し、全国の20大学400名が参加する製品企画グランプリにも参加。また2010年には、兵庫・有馬温泉観光協会と協力し、「有馬温泉ゆけむり大学」の名で地域大学を設立。五つの大学とともに地域活性化を目的とする企画・運営を行っている。「先日はフランスのエセック経済商科大学院大学の交換留学性と一緒に、有馬温泉を紹介するビデオを製作したり、外国人向けのかき氷メニューなどを発案したりしました。日本の学生が国内のユーザー向けに発信するのと、フランス人が海外向けに発信するものでは、同じ有馬でも視点によって違い、比較してみるのもユニークな経験でした」。このようなプロジェクトを数多く体験し「学ぶ」から、「使える」企画力を培っていく。
学生がゼミを企画・運営 チームランニングにも注力
基本的に授業形態は、教授が与える方針とテーマをもとに …