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トップの現場力

「人の和」が革新に挑む勇気を育む―アーバンリサーチ竹村社長

アーバンリサーチ

大阪郊外のジーンズショップから出発し、いまや全国251店舗を展開するアーバンリサーチ。昨年、創業40周年を迎えてからも新規出店の勢いは衰えず、ファストファッション市場にも名乗りを上げた。中期的な目標であった年商600億円は2017年1月期に突破の見込み。

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アーバンリサーチ 代表取締役社長 竹村幸造氏(たけむら・こうぞう)
1948年奈良県生まれ。京都産業大学を卒業後、74年に門真市にジーンズカジュアルショップを開業。89年にジグ三信を設立。97年にセレクトショップ「アーバンリサーチ」を初出店。2001年に社名を変更。

アーバンリサーチの「現場力」とは?

デジタル全盛の時代に、何をアナログなことを……と思われるかもしれませんが、大切なのは「人の和」に尽きます。バイヤーが仕入れ交渉をする現場であれ、ショップの店頭であれ、強い現場は例外なくスタッフ間のコミュニケーションが円滑で、雰囲気が良いものです。ファッション業界の動向は景気に大きく左右されがちですが、場のムードさえ盛り上がっていれば、どんな逆境も攻めの姿勢で跳ね返せます。

とくに重要なのは、店長など現場を率いるリーダーの存在。ファッションの知識が豊富であるとか、事務作業に長けているといった能力も高いに越したことはないけれど、それ以上に「人とうまくやれる」リーダーがいる店や部署は、常に活気に溢れているなと感じます。決して、口がうまいムードメーカーばかりではありません。肝心なのは、スタッフの意見や持ち味を引き出して、適材適所にやっていけるかどうかです。

とくに販売面での現場力を磨くために指導されていることはありますか?

新人研修では、半年間をかけてOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)とOFF-JTの二本立てのプログラムを実施します。アパレル販売員として最低限必要な素材や繊維に関する知識、VMDの知識、さらに経営者意識の基礎となる計数管理まで、幅広く学べるカリキュラムです。ただし、本当の学びは、実際に現場に立ってお客さまと対峙することですので、年1回開催する接客ロールプレイングのコンテストは、新人のみならず、販売スタッフ2000人を対象にしています。

私は、自社の店舗はもちろん、ライバルの店舗もよく見に行きますが、その瞬間にお客さまが一人もいらっしゃらなかったとしても、繁盛している様子がイメージできる店は分かります。私に特別な能力があるのではなく、誰にでも分かるはず。コツは、お客さまの目線がどう動くのかをシュミレーションすることです。レジの中で悩んでいても、お客さまと真逆の位置から考えているわけですから、なかなか良い策が浮かびません。まずはレジを出て、売り場全体を眺めること。次に、陳列はどうか、掃除は行き届いているか、人の動きはどうか、チームワークは良いかといったことを目で見て感じること。理屈ではなく …

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