広告・コミュニケーション関連のアワードやフェスティバルの中で世界最大級の規模を誇る「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」。今年は通常の「カンヌライオンズ」のほか、従来のイノベーション部門が独立した「ライオンズイノベーション」、昨年から始まった「ライオンズヘルス」の3つのフェスティバルで構成された。全21部門のエントリー数は4万133点に及んでいる。ここでは、アウトドア部門を紹介する。屋外広告・印刷物のほか、広告媒体として認識されていないモノをメディアとして活用する「アンビエント広告」も含め審査される部門だ。

iPhone6 ユーザーが撮影した写真162枚をフェイスブックのような写真を共有するプラットフォームの中から選んで広告に使用。掲出場所に合わせて写真を選定した。
アウトドア部門 ●グランプリ
「WORLD GALLERY」
広告主:APPLE
広告会社:
TBWA\MEDIA ARTS LAB Los Angeles \
APPLE Cupertino
国:USA
誰もがプロ顔負けの写真が撮れる
アウトドア部門でグランプリを受賞したのは、Appleの「WORLD GALLERY」。iPhone6で撮影した美しい風景画像を巨大ビルボードなどに使用し、iPhone6の撮影機能をシンプルに表現した。日本でも展開されているので、目にしたことがある読者も多いだろう。
では、どんな点が評価されたのか。アウトドア部門で審査を行ったドリルの中島和哉氏は、グランプリ作品をこう振り返る。
「今年のアウトドア部門は、全部門最多の5037作品がエントリー。審査委員長が打ち出した審査基準は『Best“ Industry” Worksを選ぼう』『アウトドアのコンテクストに沿った作品を評価しよう』というもの。アウトドア・フィールドをいかに効果的に活用するかという部門のアイデンティティーをしっかり見つめよう、広告“産業”にとって意義あるものをしっかり評価しよう、という意志をそこに明確に感じました …