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販売力を高める事業構想―商店街を再生、被災地を「日本一前向きな場」に

夜明け市場

3.11を機に、いわき駅前の寂れたスナック街を再生し、年間10万人が訪れる飲食街「夜明け市場」に。「日本一前向きな商店街」が新たに誕生した。

福島県のいわき駅前に、地元の住民、観光客、スーツ姿のサラリーマンなどで賑わう一角がある。その飲食店街は「夜明け市場」。震災前は寂れていたスナック街を、震災から間もない混乱期に生まれ変わらせ、今では年間約10万人が訪れる繁華街に変えたのが、47PLANNING(ヨンナナプランニング)代表の鈴木賢治氏だ。

新しい飲食店街のアイデアは、3.11の直後、社員8人と炊き出しに行った帰りに思いついた。もともと、鈴木氏は、高知市の中心にある観光市場「ひろめ市場」に興味があり、それを他の地域で実現したいと考えていたのだ

「目指すのは『日本一前向きな商店街』。自分にはノウハウがなかったから、突っ走るしかありませんでした」

飲食店街を開く場所として、鈴木氏は、とにかく「駅前」にこだわった。駅前の土地を探しているときに、スナック街「白銀小路」では、一人のオーナーが不動産を所有していることが判明。鈴木氏にとっては、複数の地権者の利害を調整するような手間がかからず、オーナーにとってはシャッター街の再生につながる。

鈴木氏は、自らリスクをとり、借金をしてリノベーションを実施。迎えた2011年11月、駅前3分という好立地で飲食店街をオープン。被災地でも明けない夜はないという意味を込めて、「夜明け市場」と名付けた。

もう一つ、鈴木氏がこだわったのがテナントの数。一つの小さな店舗だけでは集客できないが、10店舗の小さなお店による商業集積ならば集客できる。鈴木氏は、同志を求めて全国を飛び回った。夜明け市場には現在12店舗が入り、1階部分のスペースはすべて埋まっている。

被災地だからこそ意味を持つ情報発信もある。夜明け市場による復興のストーリーは、多くの人の注目を集めた。それも、鈴木氏の狙いどおりだった。

夜明け市場を視察する企業や自治体は増え、メディアにも100回以上取り上げられた。また、夜明け市場の周辺にも飲食店がオープンするなど、その経済効果は地域に波及している。

いわき駅前にある復興飲食店街「夜明け市場」。「戦後の闇市のような雰囲気」をイメージしてつくられた

47PLANNING 代表取締役 鈴木賢治氏(すずき・けんじ)

1982年生まれ。福島県いわき市出身。専修大学卒。イベント会社でのアルバイトをきっかけにイベント事業を手掛け、独立。2009年6月に47PLANNINGを設立し、地域活性事業を展開。3.11後、復興者による飲食店街「夜明け市場」を福島県いわき市に設立。2012年、「THE ENTREPRENEUR AWARDS JAPAN」に選出される。

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