前回の記事:「宛名なしで送れるDMとは?」
新規顧客獲得の定番となりつつある宛名なしDM。どうすれば使いこなせるのか、座談会を実施した。日産自動車 販売促進部の小暮亮祐氏や、長谷工アーベストで新築マンションのプロモーションに携わる小林智美氏が挙げた、実務に即した質問に、ダイレクトマーケティングのコミュニケーションに詳しい稲川浩之氏が回答した。
座談会では、販促の現場ならではの鋭い質問が挙がった。
効果的な販促を実現する 宛名なしDM
小暮:日産自動車でCRM(顧客関係管理)を担当しています。お客さまとコミュニケーションを続け、車の買い替え時に再び選んでいただけるようにするのが主な目的になります。
CRMと言ってもダイレクトメールに限らず、お客さまとの接点すべてを重要視しています。インターネット広告や新聞広告、チラシ広告も活用していますが、宛名なしDMは、こうしたメディアとどのように違うのでしょうか。
稲川:当社の宛名なしDM「エリアダイアログ」は、「潜在顧客の多く住むエリアに、宛名のないDMをお届けする」メディアです。すでに意欲のある人が欲しい情報を検索していくネットでの情報接触とは異なり、ポストに入っているものですから、ポストを開けた時点で、一旦手に取ってもらえる。その意味で、宛名なしDMは、ターゲットを絞りつつ潜在需要の開拓を図るのに適したメディアだと言えます。
小林:私は長谷工アーベストで新築マンションの販売促進を担当しています。いま新築マンションは、中~小規模化が進んでいます。60~100戸となると、いかに早く、多くの方にモデルルームに来ていただくかがカギで、費用対効果を重視しています。「適切なターゲットが住むエリアを絞り込める」ということですが、どの程度まで細かく指定できるのですか。
稲川:国勢調査や年収別世帯数推計データ、車種別自動車登録台数データなどを利用しています。年代、世帯構成や世帯年収、戸建てか賃貸か、どんなクルマに乗っているか……約90種類に顧客を分類し、ターゲットとしたい方々が多く住むエリアを抽出できる仕組みを整えています。
またクライアントから住所情報をお預かりし、先ほど申し上げたデータと掛け合わせ、既存顧客が住む地域の特徴を逆引きするサービス「顧客分析システム」も好評です(下表参照)。どの年代の人が多く住んでいる、どんな車を持っている方が多いといった分析ができるので、DMでどんなコミュニケーションをとればいいのかも見えてきやすいのです。
小暮:現実問題としては、どんな企業でも予算は有限で、新規に予算をつけるのは難しい。適切な配分を探ることになりますが、どういったメディアから予算を移すことが多いですか。
稲川:新聞折込チラシからが多いようです。新聞購読率は年々低下しており、しかも若くなればなるほど低くなる。また、最近多いのがネット広告をやりつくした企業からのお問い合わせ。ネット広告は費用対効果を突き詰めたので、新規顧客獲得のために、他の打ち手を試したいとエリアダイアログを試されているケースが増えています。
顧客分析システムのイメージ
世帯構成や推定年収、戸建てか賃貸か、どんな車に乗っているかなど約90種類の項目を分析しターゲット像を導出。
販促担当者の困ったを解決
小林:チラシ広告の場合、配布スタッフの質とレベルが、会社によってまちまちだなと感じることがありました。コストを下げようとすれば、セグメントせずに幅広く配布するサービスを選ばざるをえませんが、配布したくないところにも届いてしまいます。エリアダイアログで細かくセグメントができるなら、無駄のない配布ができそうです。
稲川:新築マンションの販売促進でよく利用されるセグメントは世帯年収や賃貸/戸建です。小さい子どもがいる家庭、というセグメントをするケースもあります。また配布スタッフは、ヤマトグループだとしっかり分かるビブスや名札を着用しています。ポストに投函禁止と言われている世帯は除外しているので、クレームを減らすことができます。もう投函しないでという要望があった場合に備えて、フリーダイヤルを設けて対応をしています。
小暮:当社もチラシ広告はよく実施しているんですが、そうした事務局対応は助かりますね。
稲川:ブランドの毀損を恐れて、ポスティングを導入していなかった企業にも当社のメディアは安心して多く活用いただいています。
小暮:セグメントをして上質なものを、本当に届けたいタイミングで配布したいときには、エリアダイアログはアイデア次第で使い道が広がりそうです。
稲川:DMはデザインの自由度が高いため、新聞折込やチラシ広告、ネット広告ではできないクリエイティブ表現が可能です。形状を目立つように工夫したり、上質な手触りの紙を使用したり、サンプルを封入したりすることで大幅にレスポンスが変わることがありますし、既存のチラシでも、ビニール封筒で挨拶状を入れる、そんなちょっとした工夫だけでも、レスポンスは変わってきます。その反響を分析して、適切なクリエイティブを見極め、逆引きもしながら最適なエリアを決めていく。そうしたPDCAサイクルを回していけば、より効率的に新規顧客の獲得ができるのです。
(敬称略)
宛名なしDM「エリアダイアログ」を潜在顧客に届ける
ヤマトダイアログ&メディア(YDM)
新規顧客の獲得・店舗集客プロモーションの新定番「エリアダイアログ」は、同社独自の分析手法により、ターゲット含有率の高いと思われる地域を選び、町丁目単位で宛名のないDMを配達するというもの。この結果、効果の高い販促の実施が可能となる。YDMでは、ダイレクトマーケティングのプランニングからDM表現、発送エリアの選定までをトータルにサポートする。また、納品前の仕分け作業が不要なことや、宛名なしDMの届け先からDM配達に関する問い合わせがあった際も、クライアントではなく、同社が受け付けるきめ細やかなサービスが好評を得ている。
顧客分析システム トライアルキャンペーン
2015年9月15日まで
同社では顧客分析システムを無料で利用できる「トライアルキャンペーン」を9月15日まで実施中。詳しくは下記よりお問合せください。
お問い合せ/ヤマトダイアログ&メディア株式会社
〒105-0013 東京都港区浜松町2-1-17 松永ビル4階
TEL.0120-91-1770
◇トップページ
http://www.yamato-dm.co.jp/
◇エリアダイアログサービスページ
http://www.yamato-dm.co.jp/lp1/
日産自動車 マーケティング本部 販売促進部 ビクターエンタテインメントで邦楽アーティストのプロモーションに従事。その後リクルートエージェント(現リクルートキャリア)で、マーケティングの実務責任者としてマスからデジタルまでを統括。2012年より日産自動車。 |
長谷工アーベスト 受託販売第一部門 プロジェクトマネージャー 新卒から長谷工アーベストに入社。受託販売第一部門に所属している。東京勤務として販売促進を一貫して担当しており、15年目になる。
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ヤマトダイアログ&メディア 経営戦略部長 外資系ダイレクトマーケティングエージェンシーにてシニアクリエイティブディレクター、アカウントプランニングディレクターを経て、現在はヤマトダイアログ&メディア 経営戦略部長、コミュニケーションデザイン部長を兼任。 |