販売促進の専門メディア

業界別販売促進

アパレル4ブランドの魅力的な売り場づくり クロスカンパニー、ビームス、ユナイテッドアローズ、アーバンリサーチ 

クロスカンパニー/ビームス/ユナイテッドアローズ/アーバンリサーチ

この春も大型商業施設のオープンが相次いだ。セレクトショップやファッションブランドの出店チャンスが増える一方で、ショップの乱立が過剰な競争を招く傾向にある。また、いつもと同じ顔ぶれのブランドが軒を連ねることも多く、買い物客に「どこも変わり映えしない」印象を与えてしまうこともある。買い物客を飽きさせない魅力的な売り場にするにはどうすればいいのか、その秘訣を探った。

気になった店の前で足を止めたものの、なんとなく入りづらく感じて立ち去ってしまうことがある。反対に、特に買いたいものがあったわけではないのに、ふらりと立ち寄った店で買い物欲が刺激され、予定外の買い物をしてしまうこともある。購買行動は、魅力的な品ぞろえはもちろんだが、「店に足を踏み入れたくなる」「商品を買いたくなる」仕掛けがあるかどうかにも大きく影響されるものだ。
ショップの乱立により競争が激化し、またネットで購入する人も増えている昨今、買い物客に選ばれる魅力的な売り場づくりは大きな課題である。
今回は、「買い物が楽しくなる売り場」をテーマにカジュアルファッションブランドに話を聞いた。店内の回遊性を高め、長く滞在してもらうための仕掛けや、顧客が欲しい商品をすぐに見つけられる売り場づくり、さらには「またこの店に来たい」と思われるような買い物経験をどう生み出すのか、各社の取り組みを取材した。

    [CLOSE-UP!(1)]
    earth music&ecology
    クロスカンパニー

    スタッフも楽しめる店頭施策

    img01

    タペストリーの空白部分に、スタッフが「surf」の文字を書き入れ、新レーベルの誕生を告知した。



    店の品格を高めるビジュアル

    img02

    入り口には、イメージキャラクターの宮﨑あおいさんのビジュアルを掲出。カジュアルブランドでありながら、ブランドのこだわりと品格を感じさせるようなビジュアルを意識している。(東京ソラマチ店)。



    ボードや什器で売り場を分かりやすく

    img03

    シャツの機能を語呂よい言葉で表現した、「毎日シャキッと、シャキシャキシャツ」。豊富なカラーバリエーションから選べる。



    img04

    身長や好きなテイストに合わせて4種類の丈から選べる「すきな丈スカート」。



    img05

    話題のシューズブランドとコラボした人気商品。豊富なサイズ展開が一目で分かるよう、全9サイズを専用什器に並べている。小さなサイズと大きなサイズがよく売れる。



    img06

    壁面に着用イメージパネルを掲出し、店内のどこからでも商品の場所が分かりやすい売り場に。

スタッフと客が一緒に楽しめるワクワク感がファンをつくる 
クロスカンパニー

「earth music&ecology(アースミュージック&エコロジー)」(以下、アース)は、ナチュラルガーリッシュをテーマに、オン・オフのあらゆるシーンで楽しめるスタイルを提案するクロスカンパニーの主力ブランド。20代前半~30代女性がターゲットだ。製品の企画から製造、販売まで手がけるSPAとして、手頃な価格でありながら、品質も担保している。

「売り場を楽しくするために、面白いと思う店頭施策は何でも試してきました」と話すのは、earth music&ecology事業部販促チーム次長の中村雅美氏。試した中には効果の薄い施策もあったが、トライ&エラーを繰り返しながら、効果のあった施策を残すことで店頭の活性化につなげてきた。

約2年前から定期的に実施している「スナップマガジン」もその一つ。スタッフがコーディネートしたスタイルを来店客に試着してもらい、それを撮影したスナップ写真を特設サイトで公開するサービスである。「コーディネートさせてください」と来店客に声をかけるための、コミュニケーションツールとして始めたものだという。スタッフがコーディネートを参照できるように、全店にiPadを導入。一部店舗ではスナップ写真を店頭モニターで映し出し、イベントを盛り上げている。「プリクラ感覚で写真を撮られる方が多くいらっしゃいます。このサービスのために来店される方も多く、来店誘引に効果があると感じています」(中村氏)。

今年3月に新レーベル「earth surf&ecology」が登場した際には、テレビCMによる告知に加え、店舗スタッフも巻き込み、関係者が皆で楽しめる施策を実施した。ブランド名の一部である「music」に、さまざまなライフスタイルを提案する言葉を入れて展開するレーベルラインの第一弾である。

レーベルの誕生に先駆け、テレビCMではブランド名の「music」の部分をイメージキャラクターの宮﨑あおいさんがハンマーで叩き壊す「来店 予告篇」を放映。店頭では、「music」部分を空白にし、「earth○○&ecology」と書かれたタペストリーを掲出した。その後、新レーベルを告知するCM公開に合わせ、タペストリーの空白部分に「surf」の文字をスタッフが書き込んだ。中村氏は、「空白のあるタペストリーを見て、『何が始まるんだろう』と興味を持たれたお客さまも多かったようです。アースは昨年で15周年を迎えましたが、これからもスタッフとお客さまが共に楽しめるような高揚感のある施策を意識し、ブランドに鮮度感を吹き込んでいきたい」と話す。

パネルや什器をフル活用 商品を見つけやすい売り場

アースの売り場づくりで重視するのは「分かりやすさ」である。「どの商品がどこにあるのか、それを探している人に気づいてもらうことが大切」と中村氏は話す。例えば、頻繁に来店するアースファンに対しては、新作アイテムを真っ先に見てもらえるよう、入り口付近のメインテーブルで展開する。また、一押しの商品の近くには、宮﨑さんが商品を着用したパネルを設置して商品を見つけやすくし、さらに壁面棚を活用して多様なカラー展開を効果的に訴求している。

人気の靴ブランド「ORiental TRaffic」とのコラボ商品を陳列する靴コーナーでは、靴のサイズ展開が一目で分かるよう見せ方を工夫している。この商品は、22センチから26センチまで、0.5センチ刻みの9サイズ展開が魅力だ。「自分の靴のサイズがあるかは、お客さまにとって気になるところ。『9サイズ揃っています』とPOPに書くだけでは伝わりにくいため、専用什器に全9サイズを並べることで、接客がなくても幅広いサイズ展開が伝わるようにしています」(中村氏)。

定番商品のネーミングにも、分かりやすさを追求したこだわりがある。例えば、しわになりにくいシャツは「毎日シャキッと、シャキシャキシャツ」、オンもオフも着回しできるカーディガンは「着る!掛ける!巻く!ガンガンカーディガン」。言葉をくり返すことで耳に残り、かつ商品の特徴を上手く捉えたネーミングが秀逸だ。商品名を覚えてもらえれば、「シャキシャキシャツを買いに行こう」のように、購買意欲を高めたり、来店動機にもつながりやすくなる。

「商品に気づいてもらうためには、『これ、何だろう?』と見る人を立ち止まらせる“ひっかかり”が効果的。ひっかかりをフックにして、伝えたいターゲットにきちんと伝わる売り場をつくっていきたい」と中村氏は話す。

店の奥に進むほど光景が変わる 好奇心を刺激する売り場 
ビームス

ビームスが展開する「B:MING LIFE STORE(ビーミング ライフストア)」は、30代前半のファミリー層を中心に、幅広い年代に向けてファッションとライフスタイルを提案するセレクトショップ。家族を持ったことでライフスタイルが変化し、利用機会の減ったかつてのビームスファンを呼び戻すため、良質な商品を手頃な価格で提供する店を2012年にスタート。メンズ、レディース、生活雑貨と同じ店内でキッズラインも取り扱うのは、アウトレット以外では初めて。主戦場は、家族が多く訪れるショッピングセンターだ。

今年4月には、さいたま新都心に開業した商業施設「コクーンシティ コクーン2」に出店。この新店舗で、ビームスは新たな売り場づくりに挑戦している。従来は、見通しのよい空間の高い位置や床面にサインを設け、商品の場所が一目で見渡せる売り場が多かったが …

あと67%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

業界別販売促進の記事一覧

業界別販売促進の記事一覧をみる

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
販促会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する