オンラインストアと実店舗とは対立関係にあるのだろうか。それに「NO」を突きつけようとしているのがフィンランドの不動産投資会社スポンダだ。同社は、オンラインショップの強みを実世界に持ち込み、独自の強みを持った会員プログラムやカスタマー・サービスを実現しようとしている。

紫色の端末が「フィジカル・クッキー」(写真左)。1個20円ほどと安価なので顧客に渡したままにし、携帯し続けてもらう(写真右上)。その間、蓄積された来店頻度や購入金額などのデータからロイヤル顧客かを判断する。ロイヤル顧客が来た際には店員のタブレット端末に表示され、入店時から適切な接客ができる(写真右下)。
滞在時間が22%増
フィンランド・ヘルシンキの大型商業施設シティ・センターは2014年秋、インターネットではおなじみの「あるテクノロジー」を現実世界に応用し、顧客体験を改善する実証実験を行った。
その「あるテクノロジー」とは、「クッキー」だ。ネット上で用いられる「クッキー」は、ウェブサイト運営者が、サイトを訪問した人の端末に一時的にデータを書き込む技術。訪問者に関する情報や、サイトの来歴などを記録し、行動ターゲティング広告などに活用される …
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