店頭での商品訴求が、他の媒体と決定的に違うのは、(1)実物の商品を見せて訴求を行うこと、(2)競合商品が周辺に存在すること、この2点である。
どれだけマス広告で情緒に訴える告知を行っても、店頭では実物が目の前に存在するため、お客は質感や機能性を直接確認できる。また、競合商品との比較検討が容易なため、機能の優劣も簡単に知ることができる。さらに、詳しい使い方や専門的な知識についても、知識の豊富な販売員が丁寧に教えてくれる。つまり店頭は、商品訴求にごまかしの効かない場であると言ってよいだろう。
では、どうやって特徴を演出すれば良いのか。競合商品による訴求が溢れている店頭では、単なる文字や図による訴求では埋もれてしまうだろう。競合との差異化を実現するには、他ではできないオリジナリティのある表現で商品訴求を行う必要がある。
冷蔵庫売り場にて使われていたパナソニックの「100%体感POP」は、今までには見られなかった、新しいギミックを用いた店頭ツールであった。パナソニックの冷蔵庫は、冷凍室や野菜室を大きく引き出すことのできる利便性が、競合との差異化ポイントの一つである。その利便性を実際の商品で体感できるように「引き出した割合」を示すアナログ式の棒グラフが付いているのだ。冷凍室か野菜室のどちらかを引き出すと連動して棒グラフが上がり …
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