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業界別販売促進

4社が語る「アプリ」のプロモーション――iQON、コーデスナップ、フリル、メルカリ

最近、利用者が急激に増えているのが、フリマアプリとファッションアプリである。昨年放映された各社のテレビCMがアプリの認知を広げ、ダウンロード数を押し上げた。オンライン広告でリーチできるコアユーザーのさらに先の、マスユーザーに向けてアプローチし始めた各社。市場をけん引する4社に話を聞いた。

フリマアプリ、ファッションアプリを運営する4社が集まり、プロモーションに関する意見を交換し合う座談会を開催した。オンライン広告の効果的な運用をはじめ、テレビCM、リアルイベント、さらに海外展開まで、アプリユーザーの新規獲得および継続利用促進のために行っている具体的な施策について語ってもらった。

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写真左から
GMOメディア 事業推進室 ▶郭 穎文(みつき)氏
台湾台北出身、2014年入社、コーデスナップの海外窓口を担当

Fablic シニアマネージャー ▶土屋 信博 氏
2014年入社、ビジネスディベロップメント・マーケティング領域を担当

メルカリ プロモーショングループ マネージャー ▶榎阪 健 氏
2014年入社、マーケティング責任者としてマーケティング活動全般を推進

VASILY ビジネスプロデューサー ▶柿本 竜也 氏
2014年入社、オンラインプロモーション全般を担当

    [CLOSE-UP!(1)]
    アプリの露出を一気に増やし、獲得効率を最大化

    テレビCMとPRイベント、オンライン広告の同時実施で、より流行っている雰囲気を醸成
    ●VASILY/複数のチャネルでiQONの情報に触れてもらえるよう、テレビCM、PRイベント、オンライン広告を同時に実施。CMに連動したオンライン広告のほか、ビッグデータを活用した各都道府県で好まれるコーディネートを平均化し、PRイベントを開催。

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    ファッションが大好きな女性に的を絞ったクリエイティブ
    ●Fablic/沢尻エリカさんら4人の女性タレントを起用したフリルのテレビCM。カスタマーサポートのメンバーとして働くフリルユーザーの意見も取り入れながら制作した。

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    幅広い世代に人気のタレントの追加投入で、オールターゲットを狙う 
    ●メルカリ/若者に人気のテレビ番組「テラスハウス」の菅谷哲也さん、筧美和子さんに続き、ダンディ坂野さんを起用。若者2人でコアユーザーである10~20代女性を押さえつつ、30代女性、10~20代男性にもアプリの認知が広がった。

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ユーザーのニーズに応えて各種アプリが登場

─運営するアプリの概要やターゲットを教えてください

土屋▶ Fablicが運営する「Fril(フリル)」は、女性層に特化してCtoCが行えるフリマアプリです。ダウンロード数は約300万件、メインユーザーは10代後半から20代の女性です。ファッションを中心に、ハイブランドからプチプライスブランドまで幅広く取り扱われています。また、自分の好きなブランドを出品する人をフォローするなどSNS的な要素があるのも特徴。出品者から成約金額の10%を手数料としていただくほか、昨年8月にはBtoCも開始しました。

榎阪▶ 「メルカリ」は、オールジャンル、オールセグメントを売りにしたフリマアプリです。メインユーザーは10~20代女性ですが、男女年代問わず幅広い層がターゲットで、ファッションアイテムからスポーツ用品、家具、家電、ハンドメイド品まで、多様な商品が取り扱われています。今年2月時点で1000万ダウンロードを達成。成約時にのみ10%の手数料を出品者の方々よりいただいています。昨年4月にはサンフランシスコにオフィスを設立し、同9月からアメリカでもサービスを開始しています。

柿本▶ VASILYの「iQON(アイコン)」は、提携するさまざまなECサイトのファッションアイテムを、ユーザーが自由に組み合わせてコーデを作成できるアプリです。ユーザーはiQONに投稿されている150万件以上のコーディネートを無料で閲覧でき、そこに使われている商品を購入したり、お気に入り登録して楽しむことができます。メインユーザーは18歳~34歳女性で、会員数は200万人を突破しました。収益の柱は、ECサイトとのセールスアライアンス連携、ファッションマガジン「iQONmagazine」、ネイティブ広告「iQON AD」の3つです。

みつき▶ GMOメディアの「CoordiSnap(コーデスナップ)」は、コーディネートの投稿や閲覧、コメント機能を通じてコミュニケーションを取ることができるファッション共有SNSです。ウェブサイトとスマートフォン向けアプリがあり、アプリのダウンロード数は170万件。18歳~24歳女性がメインターゲットです。主な収益源はウェブサイト上の広告ですが、現在ウェブサイトのユーザーをアプリに誘導しているため、今年からアプリでもネイティブアドを配信する予定です。

─アプリというと、リリースしたもののあまり利用されないケースも多かったなかで、皆さんのアプリがここまで利用者を増やしてきた理由は何だと思われますか。

みつき▶ GMOインターネットグループでは複数のブログサービスを提供していますが、その中で、携帯で自分のコーデを自撮りして投稿するケースが次第に増えてきました。そこで、それだけを切り出したサービスを作ろう、と4年前に始めたのがコーデスナップです。当社のブログサービスで告知したところ、ユーザーや投稿画像が増加し、1年間で約10万件が投稿されるまでに。当時、雑誌が使い始めた「コーデ」という言葉が一般化したのも追い風になり、ネットでの検索量が増加。検索すれば、1ページ目にコーデスナップが表示されるので、ますますユーザーが増えていったという経緯です。おしゃれな女の子たちのコーデを見たい、というニーズにシンプルに応えてきた結果だと思います。

土屋▶ フリマアプリの場合、CtoCといえばオークションしかなかった当時、オークションで物を売買するのはハードルが高いと感じる人たちの間で、掲示板やブログに投稿して売り買いすることが流行っていきました。もともとニーズがあったところに、もっと使いやすいサービスとして提供したのがフリルです。従来は、出品するにも写真を撮って、アップロードして、テキストを入力して、と作業が大変でしたが、スマホならカメラ機能を使ってすぐ投稿できる。この手軽さもフリマアプリが広がった理由だと思います。また、人から人へのバイラル効果もあります。フリルも開始当初は、ユーザーだった有名ブロガーさんやモデルさんがブログやツイッターで発信してくれたことで、ユーザーが一気に増えていきました。スマホが普及したタイミングに合致したのも良かったと思います。

─フリマアプリの利用者には、どんな人たちが多いのでしょうか。

土屋▶ リアルでのフリマを経験したことのないCtoC初心者の方が多い印象です。シーズンごとに洋服を買うけれど、クローゼットが一杯。そんなときに、簡単に売買できるアプリがあるらしいからやってみようと。それで売れたり、「いいね!」が付いたりすると、気に入って使ってもらえるようです。

榎阪▶ メルカリについても、CtoCのオークションで売買していた人がメルカリに移っているかというと、そうではない気がします。初めてCtoCを経験したのが、メルカリだったり、フリルだったり。新しい市場の開拓につながっていると思います。昨年11月、メルカリでフリマのリアルイベントを開催したところ、500店の募集枠が半日で埋まるほどの人気でした。出店者のほとんどがメルカリユーザーでしたが、話を聞くと、メルカリで初めてフリマを経験して、面白そうなのでリアルイベントにもやって来た、という人も多かったですね。

    [CLOSE-UP!(2)]
    リアルなイベントで話題の拡散を狙う

    リアルなフリマイベントで、フリマの楽しさを体験してもらう
    ●メルカリ/東京・お台場でリアルなフリマイベントを開催。メルカリのアプリで出店者を募集したところ、500店の枠が半日で埋まるほどの人気ぶり。ダンディ坂野さんの黄色い衣装を着て写真撮影ができるコーナーを設置したところ、多くの人が写真を撮影し、SNSに投稿した。

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    台湾と日本で、外国人向けイベントに出展
    ●GMOメディア/外国人向けに日本のポップカルチャーを紹介するイベントでブースを開設。ブースでは来場者のコーデを撮影し、コーデスナップにアップロード。人気モデルとの撮影会も行われた。写真は、「Tokyo Crazy Kawaii Taipei」(台湾/左)と、「もしもしにっぽんFESTIVAL2014」(東京/右)。

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テレビCMで新たな客層を開拓する

─これまでに効果のあったプロモーションについてお聞かせください。

榎阪▶ メルカリではオンラインマーケティングを中心に行ってきましたが、昨年5月、テレビCMを初めて実施しました。当時はゲーム以外でテレビCMを打つアプリはほとんどなく、社内でも議論がありましたが、「皆と同じことをやっていても突き抜けられない」ということで挑戦することにしました。コアターゲットである10~20代女性に人気のテレビ番組『テラスハウス』から、菅谷哲也さんと筧美和子さんを起用したところ、反応は非常に良く、手ごたえを感じました。更に10~11月には2回目のテレビCMを実施。前回の二人に加えて、30代女性や男性までより幅広いターゲットにリーチするためダンディ坂野さんを起用。この時は、前回よりもメルカリ自体のビジネス規模も拡大しており、またタイミング的にもフリルさんやiQONさんのCM出稿時期に意図せず重なって、業界全体で盛り上げた感があり、前回を更に上回る効果が得られました。テレビCM実施後の認知度調査では、テレビをきっかけにメルカリを知ったという人が過半数に上り、オンラインで訴求できなかった層を獲得できるテレビCMの強みを改めて実感しました。また、オンラインでの獲得効率も、テレビCM実施の際は大きく上がり、強い相乗効果がありました。

土屋▶ フリルでも10月末にテレビCMを実施しました。コアターゲットである10~20代女性への認知度調査で、フリルを知らない人が多かったことがCM実施の理由です。コアターゲットに刺さるコンテンツを意識して、沢尻エリカさんをはじめ4人の女性タレントを起用。テレビCMを見た人がネットで検索したり、CMに連動したネットワーク広告を見かけた人がテレビCMを想起したりして、コンバージョンにつながりました。テレビで認知を獲得しながら、ウェブで刈り取る流れが上手くいったと思います。

クリエイティブを作るにあたっては、社員だけでは男性の意見に偏りがちなので、カスタマーサービスのメンバーの意見を取り入れながら進めました。当社では、フリルユーザーにカスタマーサポートのメンバーとして参加してもらっています。フリルだけでなく、メルカリさんやLINEさんも使ってるような、普通のユーザーです。彼女たちにCMのコンテやキャストを見せて、「この人は旬じゃない」などと意見をもらったり(笑)。そうすることで、ターゲットに届くクリエイティブになったと思います。

課題が残ったとすれば、若者の新規獲得の目的は達したものの、逆に若者向けのイメージが強かったためか、30代後半~40代のリテンションが低かったことです。今後、より幅広い客層へのリーチを考慮したクリエイティブでのCMも検討していきたいです。

柿本▶ iQONでは、テレビCMに合わせ、オンライン広告とPRイベントを同時に実施しました。短期間で同じ情報に接触させることで、より流行っている雰囲気を醸成してユーザー獲得効率を最大化するためです。まずCM放映直前に、コーデのビッグデータをもとに各都道府県で好まれるコーディネートを分析し、「全国47都道府県別平均コーデ」を作成し、それをモデルが着用するPRイベントを実施。その話題がSNSなどで拡散された同タイミングでテレビCMを放映、更にオンライン広告を強め、生活者のあらゆる接点を押さえるという流れです。

土屋▶ iQONさんのCMで面白いと思ったのは、「フラれに行く日のコーデ」など、描かれていた利用シーンがとてもユニークだったことです。

柿本▶ ありがとうございます。CMの内容は、想定獲得ターゲットの特性を特に意識しました。放映前には約120万の会員がいましたが、この120万人は、コーデが好きな人やスマホをよく使う人です。一方で、テレビで狙うのはマスであり、そこに最適なコミュニケーションをとらないといけない。マスのユーザーがコーデに悩むシーンを考え、「フラれに行く日のコーデ」などの3シーンのクリエイティブを用意しました。反響も大きく、テレビCMは成功したと感じています。

    [CLOSE-UP!(3)]
    優良ユーザーを獲得し、育てる

    質の高いクリエイティブで大量のキャンペーンを用意し、LTVベースで運用
    ●VASILY/パフォーマンスを高めるためにクリエイティブの質にこだわり、LTVが高いキャンペーンだけを残す手法を採用。また、クリエティブについては、複数の「訴求」×「表現」の掛け合わせで、期間中に数百本のクリエイティブを制作。写真は、テレビCM連動バナー(左上)、コーデ訴求バナー(左下)、実績訴求バナー(右下)。

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    サービスの魅力を高め、優良ユーザーを育てる
    ●Fablic/アプリを長く使い続けてもらうために、アプリ上でのキャンペーンを充実させている。モード誌『Numéro』とタイアップしたプレゼントキャンペーンや、福袋の不用品を出品すると抽選で1万円分のポイントが当たるキャンペーンなどを実施(写真上段)。
    他にもさまざまな特集や企画を既存ユーザー向けお知らせブログで告知(写真下段)。

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オンライン広告の勝ちパターン

柿本▶ CM時には、CMに連動したオンライン広告を通常のオンライン広告と同時に実施しましたが、前者のパフォーマンスがそれほど良かったわけではありません。iQONの場合、最もパフォーマンスが高いのは、コーデ訴求のクリエイティブです。コーディネートが閲覧できるというアプリの特徴があるためです。一方で、「フラれに行く日のコーデ」が気になった人は、必ずしもコーディネートに興味があるわけではないんですよね。アプリの特徴を表現するクリエイティブのほうが、継続して使ってくれるユーザーを獲得しやすいです。

榎阪▶ 同感です。オンラインでコンバージョンにつなげるには、インパクトだけではなく、サービスの内容や特徴を理解してもらうクリエイティブを作ることが重要だと感じています。

─通常、オンライン広告ではどのようなことを意識していますか。

柿本▶ 大きく2点あります。1つは、クリエイティブの質を担保するため、すべて自社でクオリティチェックしているという点です。もう1つは、LTVをベースとした運用を行っていることです。数千ものキャンペーンを構成しながら運用し、LTVの良いものだけを残すという手法をとっています。「勝ちクリエイティブ」という話がよくでてくるのですが、どんなにいいクリエイティブでも摩耗してしまうため、大量のキャンペーンを試し良いものを残していくのが、オンライン広告の勝ちパターンではないかと思います。

─コーデスナップではどのようなプロモーションを行っていますか。

みつき▶ 当社はまだテレビCMを実施してないんです。早くやりたいですね。

最も効果があったのは、サイトで利用しているユーザーにアプリを紹介して、使ってもらうことです。また、先ほども話したとおり、検索経由や口コミでコーデスナップを知ってもらうケース。これらはプロモーション費用を一切使わずにできるため、費用対効果で言えばこれ以上の施策はありません。私たちは広告モデルで運営している以上、検索や口コミなどで有機的に成長することが大前提だと考えています。

台湾やベトナムでのサービス開始時には、一気に立ち上げるため集中的にプロモーションを実施しました。現地で人気のモデルさんに初期ユーザーとして参加してもらい、フェイスブックで紹介してもらったほか、13~35歳にターゲットを絞ってフェイスブック広告を行ったところ、かなり効果がありました。日本ではフェイスブック利用者がターゲットよりも上の世代が多いためか、効果は限られていましたが、特に台湾では女子大生のフェイスブック利用者が多く、ターゲットにピンポイントでリーチできたことでダウンロード数も稼げました。

ただし、プロモーションをいかにローカライズするかは今後の課題です。日本で考えた宣伝コピーをそのまま現地の言葉に訳しても伝わらないんです。そもそも台湾には、「コーデ」や「おしゃれ」という言葉がありません。現地ユーザーの生の声を聞き、現地のファッションを理解しながらプロモーションを行う必要があると感じました。

ユーザーと触れ合うイベントには販促施策のヒントがある

─各社ともリアルなイベントも実施していますね。

みつき▶ 日本と台湾でイベントを実施しました。日本では、昨年9月に行われた「もしもしにっぽんFESTIVAL2014」に特設ブースを出展しました。この祭典は来日した外国人に向けて日本のポップカルチャーを紹介するものです。ブースでは来場者のスナップ撮影を行い、撮影した写真をコーデスナップ内の特設サイトにアップするとともに、その場でプリントした写真をプレゼントしました。また、台湾で開催された「Tokyo Crazy Kawaii Taipei」にも出展し、来場者にコーデスナップを紹介。アプリダウンロードのQRコード付きのチラシを500枚配布しましたが、台湾ではQRコードがあまり一般的ではなかったようで、QRコードからのダウンロードはごくわずかでした。

リアルなイベントは準備が大変で苦労しました。しかし、台湾のユーザーと直接話ができたのは大きな収穫でした。

柿本▶ iQONでは「TGC」や「GirlsAward」に出展しました。QRコード付きのビラを配布してユーザー獲得を目指しましたが、みつきさんのおっしゃるとおり、リアルの場での獲得はなかなか難しいですね。参加して感じたのは、リアルのイベントはブランディングの場だということです。また、ユーザーに直接接することができるので、施策のヒントが多く転がっています。例えば、「iQONというアプリです。検索してダウンロードしてください」と案内しても、App Storeがそもそも分からない。あるいは、App Store は分かるけれども、「iQON」ではなく「iCON」と入力してしまう、とか。こちらが当たり前だと思っていることが、ユーザーにとっては当たり前ではないですからね。そのファインディングスから、リスティングワードに「iCON」を追加したりして、オンラインプロモーションの運用をブラッシュアップしました。

榎阪▶ それ、わかります。メルカリで実施したリアルなフリマイベントでも、体験ブースを設置してアプリでの出品を訴求しましたが、リアルの場でのコンバージョンはハードルが高いですね。それよりも、ベタな方法ではありますが、筧さんと菅谷さんのパネルを作り、ダンディ坂野さんの黄色いジャケットを着て、一緒に写真を撮れるコーナーを設けたところ、大盛況でした。撮影した写真はフェイスブックやツイッターなどに今ならかなりの確率でアップしてくれるので、高い拡散効果があったと思います。

─ファッションアプリの2社にお伺いしますが、リアル店舗との連携についてはどのように考えていますか。

柿本▶ iQONでコーデや商品を見た人が、店舗に商品を問い合わせるケースもあります。アイテム商品ページのキャプチャをとって、店舗に行ってそのキャプチャを見せたりしているそうです。オンラインと店舗のかけ橋としてどう貢献していくのかは、今後の課題の1つです。例えば、iQONでブランドに「LIKE」を付けたユーザーが、当該ブランドの店舗近くを通ったらプッシュ通知をする、とか。O2Oは今後伸びしろが期待できるマーケットだけに、いろいろチャレンジしたい領域ですね。

みつき▶ 当社では、コーデスナップを店舗の販促に活用していただける施策を検討中です。現在、一部のブランドさんとのアライアンスを試験的に進めています。ブランドの公式アカウントを設置し、ユーザーの検索動向を分析してデータ提供するサービスを想定しています。また、ファッションを楽しむ人を増やすのがサービスの理念ですので、新品中古を問わず、「これいいな」と思った時に買える手段をユーザーに提供していきたい。その意味でも、メルカリさんやフリルさんとの連携も可能性があると思います。

─最後に、今後の展望をお願いします。

みつき▶ 若者ファッションの成長市場はアジアだと捉えています。現地でのスマホの普及と通信インフラの整備さえ追いつけば、コーデスナップの展開は可能だと考えています。まずは英語版を全世界に向けて配信し、どの国に可能性があるかを見極めながら、じっくりと進めていきたい。海外展開が進めば、日本のブランドの海外進出にも貢献できればと考えています。

榎阪▶ メルカリも、立ち上げ当初からグローバル展開を視野に入れています。社長の山田がメルカリを立ち上げたのは、世界のリソースに限界があるなかで、それらを効率よくかつ安全にリユースする仕組みが必要だと考えたからです。まずはサービス展開している日本とアメリカでの成功を目指したい。また、フリマアプリはまだまだ日本でもメジャーな存在だとは言えないと思っているので、業界全体でフリマアプリを盛り上げられるような取り組みができたらいいですね。

柿本▶ ユーザーにとってより価値あるプロダクトにしてきたいですね。ファッションならiQON、という世界を創れればいいと思っています。また、プロモーションに関しては、新しい広告商品にもどんどん挑戦していきたいと思っています。

土屋▶ アプリの使い勝手やユーザーインターフェイスは、まだまだ改善の余地があると思っています。ユーザーの声を拾って改善を積み重ね、アプリの価値を高めていきたいと考えています。個人的には、フリマアプリのユーザーインターフェイスが同一化してきているので、そこにアッと驚くようなイノベーションを起こしたいですね。

取材・文/前田はるみ

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