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シニアプロモーションの現場

フルライン型店舗からシニア中心へ、松坂屋上野店本館の取組み

西川立一(流通ジャーナリスト)

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松坂屋上野店のサービスカウンター。終活や洋服選びなどシニアのトータルライフに対応。

アラ・60シニア向けの新サービス

百貨店は、のれんと信用があり、長らくシニア御用達の店舗として存在し続けてきた。しかし、団塊世代が高齢者となり、新たなシニアへの対応が求められ、4人に1人が65歳以上という高齢化社会を迎え、各社は再びシニアに熱い視線を注ぎ、動き始めた。

「松坂屋上野店」は、南館を地上23階、地下2階の高層ビルに建て替え、上層階をオフィスフロアにし、パルコやシネマコンプレックス「TOHOシネマズ」を誘致、若者向けの施設にし、2017年秋に開業予定だ。

それに伴い南館との差異化を図るため、本館を近隣住民の「アラ60・シニア」をメインターゲットに据え、14年3月、リニューアルオープンした。

もともと同店は、顧客のおよそ60%が55歳以上でシニアの支持が高かった。定年延長などで働いている60代も多く、シニアは有望なマーケットと捉え、彼らにとって買いやすい売り場や必要なサービスを提供することで、需要を取り込もうと考えた。

ストアコンセプトは「毎日の暮らしがちょっと楽しくなる 使い勝手の良い“私たちの”百貨店」。暮らしに密着した日常的な利用を想定し、コンパクトな売り場に、アラ・60シニアのお気に入りのものがすべて揃う店づくりを行い、来店頻度は週2、3回を想定した。本館1館体制となり店舗面積は約3万5000㎡から約2万㎡に大幅に縮小、幅広い客層を対象とするフルライン型百貨店から、シニア中心の店舗に生まれ変わった。

まず特筆したいのが、サービス面での新たな取り組みだ。

6階の「総合サービスカウンター」では …

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