販売促進の専門メディア

           

2014年新市場を切り開いたヒット商品

「ギャツビー」通って開拓 東南アジアの個人商店

マンダム

インドネシアでの男性スタイリング剤シェア77%をはじめ、東南アジア各市場でトップを誇るマンダムの「ギャツビー」。2014年3月期時点でインドネシアと海外その他で売上高比率は40%に到達。「ゆくゆくは国内・国外で50対50へ」(宣伝販促部部長 太田邦行氏)と、ヒット商品から定番商品へと成長させる取り組みに力を注ぐ。

東南アジア向けに販売している商品群。日本での整髪料は携帯用サイズとレギュラーサイズの2種だが、海外では所得状況などに合わせて多種展開を行っている。インドネシアでも7タイプを販売。

東南アジアで覇を唱えるブランド、「ギャツビー」。その拠点は、マンダムが1969年に現地法人を設立し、生産拠点を置くインドネシアだ。現地での売上高は、2014年3月期時点でマンダム全売上高の23.4%を占める。直近の15年第2四半期決算でも、売上高84億3200万円で前年同期比4.9%増となった。

売れ筋は「ギャツビー ウォーターグロス」。短髪を好む国民性に合わせた商品で、濡れたようなツヤを出してセットできる点が受け、「14年1~9月期は前年対比二ケタ増のヒットとなった」(宣伝販促部部長の太田邦行氏)。

インドネシアから輸出することで、周辺市場にも「ギャツビー」は浸透し始めている。15年第2四半期ではインドネシアを除く海外市場全体で売上高61億6500万円(同比7.9%増)との成果を収めた。現在、東南アジア諸国で「ギャツビー」はトップシェアを取っており、整髪やスキンケアなどの身だしなみの代名詞になりつつある。

売上の半分を占める家族経営の小売店

○写真左/ドラッグストア大手ワトソンズ(マレーシア・アラマンダ店)。品揃えは日本のドラッグストアに比肩し、販促色を抑えて高級感を演出している。その分、プロモーションも日本同様とはいかず、現地社員や一次の販売代理店が赴いて交渉。
○写真右/片や、家族経営の雑貨店も大切な販路。現地人材の家族が経営していたのを頼りに、来店者を1日中観察してアプローチ方法を模索した日本人社員も。

ヒットの要因として、14年4月までマレーシア現地法人の副社長を務めた太田氏が挙げるのは「家族経営の個人商店から大手ドラッグストアまでを網羅する配荷体制(ディストリビューション)」だ。

例えばインドネシアは、1万3400余りの島々で構成され、東西は5100キロメートルに及ぶ。

各島の小さな雑貨屋は ...

あと63%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

2014年新市場を切り開いたヒット商品 の記事一覧

「ロハコ」ヒットをフィットに変えていく
世界の支持、日本に根付くか――ぺんてる「エナージェル・トラディオ」
「カゴメトマトジュース」香港に拡販ポテンシャル
「ギャツビー」通って開拓 東南アジアの個人商店(この記事です)
「ハスラー」生活の足を超えた軽自動車
「格安スマホ」に見る商機 Eコマース利用機会増にも好影響?
“ダブルゼロ”ヒットの舞台裏 発泡酒市場12年ぶりの回復
14年の人気商品・サービスから 新たな年につなぐヒットの架け橋

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
販促会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する