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2014年新市場を切り開いたヒット商品

「ハスラー」生活の足を超えた軽自動車

スズキ

スズキの宿願、軽自動車市場1位奪取の立役者となった「ハスラー」。2014年1月発売から11月までで約9万5000台を販売。同社の売上増をけん引した。その背景には、日常使いが主だった軽自動車に新たな風を吹き込み、特に若年層を惹きつけた「遊べる軽!」というコンセプトがある。

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「軽自動車」と言われて、どのようなイメージを思い浮かべるだろうか。もちろん今も、軽自動車は買い物や送り迎えで毎日用いる「足」として、生活を助ける存在ではある。都市と比べて交通機関が発達していない地方部ではなおさらだ。しかし、それだけでは、今後の現実問題として縮小する国内市場、特に地方人口の減少に影響を受けてしまうだろう。これまでにない価値を打ち出し、新たな市場を生み出す必要がある。

こうした中、スズキは2014年10月、ライバルのダイハツ工業から宿願の首位奪取を実現した。1月~11月の累計販売台数は63万7253台で前年同期比110.8%となった。11月も2位のダイハツとの接戦を制して市場1位を堅持し、1~12月の年間1位が射程に入った。

これをけん引するのが、軽自動車クロスオーバー「ハスラー」のヒットだ。同社を代表する「ワゴンR」や「アルト」が4月の消費増税による苦戦を強いられる中、「ユーザーの過半数が20~30代」(スズキ広報)と、これまでになかった顧客層を拓いたのだ。ハスラーの月間販売台数目標は5000台だが、14年1月8日の発売以降、月販目標を毎月クリアし、この11月までに9万5314台を販売。計画比173.3%という成績を収め、10万台の大台が見えてきた。

使い勝手やカラーリングにも識者からの評価集まる

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テレビCM「感謝を込めて」篇(左)、同「ウィンター」篇(右) 
「RJCカーオブザイヤー」ほか各賞の受賞記念CMと、「ウィンター」篇。若者がアウトドアを楽しむ様子を、冬山のほかキャンプや渓谷、海を舞台に描いた。

ハスラーのコンセプトは「遊べる軽!」。実用性に加えて …

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